49歳キャスター小西美穂の華麗で泥臭い半生 「news every.」アンカーはここまで徹底する

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「まだ誰も知らない、見たことのないものを見たり、これからの流れを作ったり、会えないはずの人に会って真相を聞いたりすることに喜びを感じるタイプなんです。記者根性はその頃から培われていたんですね。キャスターをやれと言われたときも、そんなのあたしできませんとさすがに思ったけれど、誰もやったことがないことをやる面白さで引き受けました。挑戦下手かもしれないけれど、やらんと前に進まへんでしょ」

思えばラクロスでも、ディフェンスがつなぎ運んできたボールを最前線でゴールに打ち入れるポイントゲッターだった。

サバイバルの旅路

小西は9月に、2冊目となる著書『小西美穂の七転び八起き』(日経BP社)を出したばかり。その中では、20代から30代にかけて報道の世界を走り回った小西の奮闘と、40代で突如アリ地獄のような精神状態に足を滑らせ、這い上がろうともがいた日々が率直に語られている。

「キツかった」体験を率直に話す出版記念イベントには、多くのファンが詰め掛けた(撮影:稲垣純也)

「大阪から出てきて、『読売テレビから来たけど、日テレでキャスターやってる』っていう不思議な立ち位置にいたわけですよね。ところが41歳で配置換えがあって番組を降り、別番組で企画取材キャスターという、つまりは『何かいいネタが取れたらどうぞ』という閑職へ。40歳の誕生日は、キャスターとして大勢の人に囲まれて、白金のレストランで華やかなバースデーパーティー。ところが41歳の誕生日は、1人ひっそりと行きつけの定食屋さんのカウンターで、サンマ定食を食べていました」

もちろん、企画取材キャスターとは小西らしい取材力をじっくりと生かせるポジションであり、配慮もあったのだろう。だが小西は「私は最前線大好き人間だから、これは行き止まりなんかな、って」と41歳独身の自分に焦燥感を持ち「幸せな家族連れが目に留まるようになって、八重洲ブックセンターに自己啓発本を探しに通いました。買うだけで安心するんですよ。関西人として、大丸東京店も落ち着きましたね。夜の7時や8時は子供連れ、家族連れがいないから、安心して徘徊できたんです(笑)」。

組織人としての生き方、個人としての生き方の双方でふと足をとめた小西。そして43歳のときにオファーがやって来たのはBS日テレの『深層NEWS』だった。小西の記者出身キャスターとしての魅力が活きる討論形式の報道番組だったが、小西本人は苦闘した。毎日番組反省会で厳しい言葉をもらい、自分の力量の遥か上を求められる。

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