力づくで株を売るヘッジファンドの次の一手

市場はいずれ米中貿易戦争に飽きてくる

波乱の第2週に対して、日経平均は先週第3週も日々の動きでは3ケタの上下を繰り返し、波乱とも言えるものだった。だが、第2週に対してみると、1週間では163円安にとどまっている。下値は見えたと言えるのではないか。

先週の下値を支えたのは、それほど悪くなかった経済指標ではないかと思う。先週発表された主なものを拾ってみよう。まず日本。8月の鉱工業生産指数(前月比プラス1.3%と4カ月ぶり上昇)、稼働率指数(前月比プラス2.2%)、9月の消費者物価(プラス1.0%で21カ月連続上昇)という具合だ。

またアメリカでは、10月のNY連銀製造業景況指数(21.1と2カ月ぶりの上昇で予想の19.3を上回る)、9月の鉱工業生産(前月比プラス0.3%と4カ月連続上昇で予想の0.2%を上回る)、9月カンファレンスボード景気先行指数(前月比プラス0.5%と前月から伸び拡大)、と言った具合だ。

市場はいずれ米中貿易戦争に飽きてくる

一方、中国の7~9月実質GDP前年同月比6.5%増は「2期連続の減速で、予想の6.6%を下回る」と、マスコミは一斉に「ネガティブ報道」をした。だが、果たしてそうだろうか。

もちろん、同国の統計は額面通りには受け取れないのは承知している。だが中小の新興国ならいざ知らず、2017年名目GDP世界シェア約15%を誇る生産大国の成長率としては、名目の9.6%増と共に、決してネガティブなものではないと筆者は感じる。

IMF(国際通貨基金)の予測では僅か4年後の2022年、世界の名目GDPシェアで、米国21.9%、中国18.4%とかなり接近する。さらに「中国製造2025」が功を奏し、一帯一路政策が実を結んで来たら、アメリカの制御が効かない巨大な共産主義国家が誕生することになる。アメリカが到底これを許すはずがない。中国への攻撃はますます激しくなると思われる。

今後は中国の反撃もあり、悲観と楽観を繰り返すことが予想されるが、すぐに結論の出るものでもない。おそらくそれに飽きた投資家は、実態経済や企業業績の原点に帰ってくると思われる。今週は米国の決算発表が佳境となり、日本も日本電産や信越化学工業などの決算があり、スタートから重要な局面を迎える。

不安の中で相場は育つと言われるが、言い換えれば、不安のあるうちは天井を打つことはないとも言える。引き続き、下げたところは拾うところだと考える。915円安でも果敢に買い向かった個人投資家を見ると、筆者などが言うまでもないことか。今週の日経平均予想レンジは2万2250円~2万3000円とする。

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