ANA「羽田-ウィーン」直行便開設のインパクト

「音楽の都」への定期便は何をもたらすか

「音楽の都・ウィーン」への直行便開設で、本場の舞台に触れるチャンスも高まるか?(ウィーンオペラ座前にて/筆者撮影)

ANA(全日空)は10月15日、羽田―ウィーン間の直行便を2019年2月17日から開設すると発表した。ANAにとっては欧州で7つ目の就航都市となり、日系航空会社便の中東欧地域への乗り入れとなるとこれが唯一のルートとなる。日本とオーストリアが直行便で結ばれることになるインパクトとは何か。その特徴や優位性を検討してみることにしたい。

日本とオーストリアは国交樹立から150周年

欧州で7つ目の就航都市となる(画像:ANAのプレスリリースより)

2019年は日本・オーストリアの国交樹立から150周年の節目。それよりも近現代史的にさらに注目すべきは、2019年はあの「ベルリンの壁」の崩壊、つまり冷戦終結から記念すべき30年目に当たる。

「オーストリアとベルリンの壁とがどういう関係にあるの?」と思う方も多いかもしれない。現在の東欧諸国は、第2次大戦後、旧ソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営(いわゆる「東側」)に取り込まれていたが、ウィーンという街はギリギリ資本主義・自由主義陣営である「西側」に属する国で最も「東側」に近い首都だったわけだ。

当時の冷戦体制下においても、日本から「怖いもの見たさ」とも言えるような中東欧諸国周遊ツアーがあったのだが、旧東ドイツやチェコスロバキアを巡ってからウィーンに立ち寄ると、ネオンのまぶしさやあふれんばかりのモノ、そして優雅なコンサートや舞台を鑑賞して「西側の良さ」を改めて感じたものである。

時代が変わり、あの冷戦が終わってから30年余りが経過。厄介な東西陣営を隔てる「壁」も消滅し、いまではウィーンがその地政学的な優位性から、いわゆる旧東欧圏諸国のモノ・ヒトを結ぶ要衝へと変化している。

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