中国、経済・社会改革案の詳細公表 戸籍制度や国有企業など、改革待ったなし
[北京 15日 ロイター] -中国は15日、一連の改革案の詳細を公表し、大規模な経済・社会構造改革を実施する方針を明らかにした。
新華社が公表した改革文書の骨子は以下の通り。
<戸籍制度>
「戸籍(戸口)制度の改革を加速し、町村や小都市での登録制限を完全に撤廃、中規模都市の制限を徐々に緩め、合理的な方法で大都市居住の判断基準を定める。大都市の人口を厳しく管理していく」
「基礎的な都市社会サービスの対象を長期在住者すべてに確実に広げ、都市登録へ切り替える地方出身者が、住宅・社会保障制度の中で完全に統合されることを認めていく」
「都市の土地利用効率化をさらに進めるために、建設用地の供給や利用を厳しく合理化していく」
<資源の価格決定メカニズム>
「市場が主に決定する価格決定メカニズムを促進する。市場原理に基づく決定が可能な価格については市場に任せる必要がある。政府は不適切な介入をするべきではない」
「水や石油、天然ガス、電気、輸送、通信を含む分野で価格改革を推進する」
「政府が決定する価格は主に、主要公益事業や公共サービスに適用される。そういった価格決定は透明性と市民の監視を必要とする」
「農産品についての価格決定メカニズムを改善し、市場の果たす役割を強調する」
<人民元・金利>
「市場原理に基づく人民元の相場形成メカニズムを改善させ、金利の市場化を加速する。国境を越えた資本・銀行取引の交換性を高める」
「対外債務および資本の流れに関する強固で穏健な包括的管理の枠組みを確立し、人民元資本勘定の交換性の実現を加速する」
<国有企業>
「(われわれは)国有企業(SOE)改革への非公有企業の参加を促す」
「株式の持ち合いや、公有、共同所有および民間資本を含むさまざまな種類の資本の融合が基本的経済システムの重要な要素だ」
「公有資本が投資するプロジェクトの権益を非公有資本が取得することを認める」
「国有資産の管理体制を改善し、主に資本管理を通じて国有資産の監督を改善する」
「公有資本は国家の戦略的目標のため、公共サービス、重要かつ先を見据えた戦略的産業の開発、環境保護、科学技術の発展の後押し、国家安全保障の確立といった主要分野でその役割を果たすべきだ」
「国家資産の一部を社会保障ファンドに移管し、国家資産が国民に支払う配当の比率を2020年までに30%まで引き上げ、社会保障や人々の生活向上に使うことを目的とする」
「国有資産が権益を掌握し事業展開する独占産業については、(われわれは)政府機能を事業・資本管理から切り離し、事業権利を付与するといった改革を実施し、政府による監督を実施する」
「市場原理に基づく公有資源の配分を推進し、行政上の独占状態を一段と取り除く。SOEによる重要情報の公表を促す」
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