吉野家が「6期ぶりの赤字」に陥る根本理由 客数増加でも、最終損益が11億円の赤字に…

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アークミールはグループ全体の売上高の1割程度を占めるが、ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」が出店を加速するなど攻勢を強めており、不振が続いてきた。

全席禁煙化なども実施したが…

会社側は「ステーキのどんは吉野家のようにふらっと立ち寄る店ではなく、『車で行こう』と思って行くところ。一度客が離れると回復が遅い」と説明する。7月にはステーキのどんとステーキ店「フォルクス」の全店で終日全席禁煙化に踏み切ったほか、夏季限定商品を投入したが、効果はいま一つだったようだ。

9月のある週末に「ステーキのどん」の店舗を訪れると、ランチタイムにもかかわらず客席には空席が目立っていた(記者撮影)

アークミールでは8月末に長岡祐樹氏が社長を辞任。9月から池上久会長が、社長を兼任する体制になった。会社側は「体調不良による辞任」と言うが、業績をテコ入れする狙いもありそうだ。

売り上げが想定に届かなかったことに加え、コスト面でも苦しんだ。中でも痛かったのが、採用コストの上昇だ。

吉野家で期初に当たる3~4月は、学生のアルバイトが卒業や進級を理由に入れ替わるタイミングで、例年、採用を強化する時期だ。だが、今春は必要な人数のアルバイトを確保するのに苦戦。結果的に店舗で働く社員の残業代が増えてしまった。ドライバー不足やガソリン価格の高止まりを受け、物流費の高騰も重くのしかかった。

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