たとえば信号待ちなどで停止してアイドリング・ストップしてから、再発進する際のエンジン始動はBSGによって行われるため、セルモーターにはない静かな始動が実現される。
変速時にもモーターはアシストを行っている。たとえばシフトアップ時。通常の内燃機関のクルマであれば、一度エンジン回転が落ち込んでから上昇していくが、その落ち込みをモーターでアシストするためシームレスな加速が実現できている。これはすごく気持ちが良い。
そしてシフトダウン。通常の内燃機関のクルマであれば、ギアが落ちた瞬間にエンジンの回転数がハネ上がるが、BSGではベルトを介して抵抗を生み出す制御によって、ハネ上がりを抑えてくれる。つまりシフトアップ時もシフトダウン時もこれまでのようなシフトショックとは無縁なのである。
そしてこれはエンジンの印象をより良いものに感じさせてくれる要素になる。だからむしろ、この1.5Lエンジンは以前の2.0Lより上質に感じるのだ。
フル・ハイブリッドに感じる違和感はない
同時に気づくのは、なるほどこのシステムは電動化をうまく使いつつ、自然な走行フィールも失わないものだということ。
なぜなら発進や再始動、シフトチェンジなどの局面において、モーターならではの制御によって機能の向上や上質さを感じさせる要素としているために、いわゆるフル・ハイブリッドに感じるフィーリングの違和感がそこにはまったくない。だからこれまでと同じような感覚ながらも、プラスアルファの要素だけが光っている。もっとも今回のCクラスの場合はトランスミッションもATであるため、日本車のハイブリッドやマイルドハイブリッドの多くが使うようなCVT(無段変速機)特有の間延び感がないので、余計に自然に感じる。
結果として走り全体に、好印象を生む要素になっているわけだ。
とはいえ、搭載されているのは1.5Lの直列4気筒直噴ターボであるため、限界は当然ある。アクセルをどんどん踏み込んでいく高速域になるほどに、プラスアルファのアシストはなくなるし、全開領域ではさすがに1.5Lのエンジンであることを感じる。ただし、実生活の中でのアクセル開度を考えれば、そうした限界をみる要素は少ないといえるだろう。
またCクラスの今回の改良においては、このパワーユニット以外にも新世代の2.0Lクリーンディーゼルを搭載したことも特徴で、これについては機会があればレポートしたい。
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