安倍首相は、早期にレームダック化する懸念 自民総裁選で浮上した政治リスク
[東京 20日 ロイター] - 自民党総裁選は、市場にとって不透明感を残す結果となった。石破茂元幹事長が予想以上の善戦。安倍晋三首相の求心力が低下すれば、参院選など来年の選挙に暗雲が漂う。経済政策に大きな変化はないとしても、市場は早期のレームダック化など政治的なリスクを懸念しており、この先の日本株やドル/円の圧迫要因となるかもしれない。
3選はポジティブ材料
金融市場にとって安倍首相の3選自体は、ポジティブ材料だと受け止められている。金融緩和や財政拡張を基本とするアベノミクス政策が継続すると期待されることから、株高、円安、債券高(金利低下)方向に働く。
安倍政治の総決算として憲法改正にまい進することになったとしても、その前提として経済の安定は不可欠。金融政策や財政政策が変わるとは、見込まれていない。むしろ金融緩和政策の副作用が顕在化するなかで、財政政策はより拡張的になる可能性がある。
日経平均<.N225>は石破氏の善戦を受けて、一時90円安付近まで下落したものの、結局は2円高とわずかだがプラスで引けた。ドル/円<JPY=>もやや円高が進んだが、112円の大台を割り込むことはなかった。
JPモルガン証券・チーフ株式ストラテジスト、阪上亮太氏は「政治の安定が確認されると海外勢は、日本株を買いやすくなる。株安は一時的な反応だろう。サプライズは全くない」との見方を示す。