秋葉原に「安倍支持旗」が立ちまくった舞台裏 自民総裁選、選挙戦最終日に何があったのか

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「もう立ち上がれないと思った。その時に背中を押したのがこの地、秋葉原だ」

在野時代の苦しさをかみしめるように、安倍選対事務総長を務める甘利明元経済財政政策担当相はこう述べた。「『シンゾーがそう言うのなら』と世界のリーダーは安倍首相に倣っている。6年後の今、安倍首相は『世界の安倍』だ」。

岸田文雄政調会長も、総裁選中にロシアのプーチン大統領の「年内前提なし平和条約の締結提案」や南北朝鮮首脳らによる事実上の朝鮮戦争終戦宣言ともいえる平壌宣言など、国際社会の変化を述べ、「外交の顔は重要だ。変えてはならない」と力説した。

「冷や飯を食う覚悟もない」と石破陣営を批判

「明日は俺の誕生日、明後日は総理の誕生日」

ひょうひょうとした言い方の麻生太郎財務相は、秋葉原では大人気だ。「ここでは8回街宣したが、雨が降ったことはない。(安倍首相と)2人で来た時は必ず勝っている。負けたのはただ1度で、昨年の東京都議選。この時、総理はひとりで来た」。

聴衆からどっと笑いが沸いたが、笑いをとりながらも、麻生氏は相手陣営への皮肉も忘れなかった。安倍第一次政権の後継を福田康夫氏と一騎打ちで戦った2007年の総裁選を省みながら次のようなことを述べている。

「俺に付いてくれば必ず冷や飯を食う。そう言ったが、安倍晋三、中川昭一、菅義偉、甘利明はついてきた。1年近く冷や飯を食わされたが、冷や飯も食い方がある。いまはなんとなく批判して、冷や飯を食う覚悟もない。覚悟のない人間に日本の舵取りを任せるべきではない」

そしてついに安倍首相の登場。「6年前、“日本を取り戻す闘い”は、この地から始まった。みなさんから力をいただき、政権を奪還できた」との言葉に一段と拍手が沸き起こった。

演説の間、聴衆がどのように聞いているのかを観察してまわったが、ほとんどがうっとりと聞き入っていた。とはいえ、宗教などに心酔する表情というわけではない。民主党政権時代の苦難を思い起こし、安倍政権の良さを噛み締めている様子だった。

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