MBA学長が「バスケチーム」を率いてみた結果 「赤字、成績も動員も最下位」を蘇らせた5原則
5つめの原則は「トップの器を大きくし続ける」ことだ。僕は「組織はトップの器で決まる」という言葉を信じている。トップが成長しないのに、組織が成長することはできない。トップが自らの器を大きくしていけば、組織も大きく伸びていくことができる。
そこで、GMや部長などロボッツの経営トップにグロービスのMBA受講を勧め、学ばせることにした。現在では、選手にも奨学金を出し、MBAを学ぶことを奨励している。トップはもちろん選手にとっても、学び続け、成長し続けることはとても重要である。
トップが変らなければ組織も変らない
また僕自身にも1つのチャレンジを自分に課した。可能な限りホームとアウェイで試合を観戦して、僕自身がアリーナのエンタメ要素になることだ。
普通、バスケットボールチームのオーナーは、スーツ姿でアリーナ最上階のボックス席から試合を観戦しているものだ。でも僕は、いつもユニフォーム姿でコートサイドの中央、いちばん前の席に陣取っている。そしてロボッツが得点する度に立ち上がり狂喜乱舞して叫んでいる。僕自身がアリーナの熱量を生み出す一部となって、チームを、試合を盛り上げることにしたのだ。
このやり方には、お手本がいる。NBAのダラス・マーベリックスのオーナー、マーク・キューバンだ。彼は毎試合、コートサイドの最前列でファンと一緒に応援している。その熱烈な応援ぶりは有名で、激しさが高じて審判から注意を受けたり、罰金を科せられたりすることは、いまやNBAの日常風景だ。
チームを大きく成長させるために、経営チームやオーナーである僕自身が自ら成長し、器を大きくしようと、日々努力し続けている。
5年前に「ビリギャル」という本が話題になり、映画にもなった。正式なタイトルは『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』だ。これにひっかけて言えば「リーグビリのバスケットボールチームが3年で売り上げと観客動員数を6倍にしてぶっちぎりでB1に昇格した話」という「ビリバス」物語を、今年こそは実現したい。そして数年後にはB1でも優勝できるようにチームを育てていきたい。そのための道筋もすでに描いている。
シーズンの開幕は今月末に迫っている。できればこの記事を読んでいただいたみなさんにも、試合会場に足を運んでいただき、その物語の登場人物になってほしい。
そして、コートサイド最前列で熱狂的な応援をしている背番号28のユニフォームを見かけたら、勇気を出して声をかけてもらえないだろうか。28は私の誕生日である。
試合後、みなさんと勝利のハイタッチができたら最高だ。
【2019年3月11日17時追記】初出時のリーグ名と観客動員数の目標、スポンサー集めにかかわる記述に誤りがありましたので修正しました。
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