ベイスターズが鉄道コラボで示す「横浜愛」 東横線イベント列車には「ハマの番長」も登板

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JR関内駅は試合当日、ラミレス監督や選手の声のアナウンスを構内で放送している。たとえば、筒香選手のアナウンスの場合は「駅構内は混雑しますので、待ち合わせは駅の外をご利用ください。きょうの試合も僕のホームランでチームを勝利に導きます!」と、マナー啓発とともに球団への応援を呼びかける内容だ。

試合開始の2時間~1時間前にアナウンスを放送するのは「これを目当てに早めに来てもらうことで混雑が緩和されるだけでなく、中華街など球場周辺を訪れてもらって、まちの活性化につなげたい」(髙橋さん)との思いがある。

地域密着「鉄道と球団」コラボの持つ力

横浜スタジアムで練習を見学するイベント列車の参加者(撮影:梅谷秀司)
横浜スタジアムは改修工事が進んでいる(撮影:梅谷秀司)

現在、横浜スタジアムは2020年春の完成に向けて改修工事が進んでいる。収容人数を約6000人増やし、約3万5000人とする予定で、回遊デッキを設けるなど地域に開かれた球場を目指すという。東京五輪の正式種目に採用された野球・ソフトボールの主会場になることが決まっており、交流の拠点としてますます存在感が増しそうだ。

一方、同じく2020年には横浜市役所の新庁舎がみなとみらい地区のそばへ移転する。横浜スタジアムに近い現庁舎や周辺で働く市役所職員が数千人規模で流出してしまい、関内エリアの商業の空洞化を招くおそれがある。

これらの後発的な外部要因も含めた将来を見据え、ベイスターズは2017年に「横浜スポーツタウン構想」を打ち出した。横浜スタジアムを核として、スポーツで横浜の街ににぎわいをつくり出す計画だ。

今回のイベント列車は東急電鉄、横浜高速鉄道ともに、プロ野球球団と連携して運行した初めての事例となった。東急電鉄企画課の竹田宏美さんは「装飾した車両にファンを招待することで、球団と一体となった街づくりに生かしていきたいと考えた。イベント電車で話題を集め、東横線沿線からも応援に来てもらいたい」と狙いを説明する。

鉄道と球団はどちらも地元密着型で取り組む事業として共通する部分が多い。今回のイベント列車のような、双方が柔軟に連携したファインプレーが地域発展の流れをつかむきっかけになるかもしれない。

橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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