日本橋に登場「音楽が凄いホステル」の舞台裏 「東京に音楽を根付かせたい」経営者の男気

このラウンジには音を聞きに来る人だけでなく、ご飯を食べに来る人や、カップルで話したい人など、さまざまな人が集う。アジア人も、日本人も、欧米人もいる。12年、ずっと追い求め続けて出会えなかった空間が、ここにある。
そんな中で流れる音楽は、既視感より臨場感、予定調和よりも偶発性が期待されている。こうした雰囲気や空間をつくるには、アーティストにも実力が求められる。
CITANを同世代の若者たちが続々と挑戦できるような空間に育てていきたい。ただの商業施設としてではなく、場所のあり方を考えたとき、それが私たちの世代の、空間をつくる側の役割だと思う。
音楽が世界の人々をつないでいく
ケアンズのカジノで見たバーラウンジ。少し大げさに言えば、あそこで私の人生は変わった。世界は思ったよりも多様性にあふれていて、そして人は、そんな多様性など気にもせず、それぞれの違いを越え、共に時間や空間を共有できることがわかった。

そのことが、まだ見ぬ世界と未来の自分を輝かせた。いろいろな人と話し、文化や価値観を共有してみたいと視野の広がりを感じた。
「あの景色を東京にもつくりたい。私自身がそんな空間に身を置いていたいし、日本にいる友人や共に働くスタッフたちに、あの感覚を伝えたい」
そう思って追い求めてきた答えに、ようやく近づきつつある。
ただ人が集まったところでその場所には何も生まれない。時間や空間が共有されることはない。異なった背景を持つ人々が心の奥底でつながるには、共感できるきっかけとなる「何か」が必要なのだと思う。
私たちはその何かを、音楽に見いだした。最高に気持ちの良い「BGM」つまりバックグラウンドミュージックが空間と時間に魔法をかけ、世界の人々をつないでいく。
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