新型iPhoneは一体どれだけ大きくなるのか 発表前に押さえておくべき10のポイント

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Apple Parkのスティーブ・ジョブズ・シアターで発表会を行う場合、新製品の展示会場はホールの入口と同じフロアに用意された展示スペースで行われることになる。昨年のイベントでは、iPhone 3モデルとApple Watch Series 3が展示されていたが、スペースとプレスの人数から考えると、一度に展示する製品数を一挙に増やすことができるか、疑問だ。決して狭い空間ではないのだが、世界中のプレスが思い思いの取材をするためだ。

9)いち早く情報を見たい人はどうすればよいか?

現在アメリカ・カリフォルニア州は夏時間であるため、午前10時に始まるイベントは、日本時間で午前2時となる。現地で9月12日午前10時から開催されるなら、日本時間は9月13日午前2時の開催だ。

例年、iPhone発表のイベントは、アップルのウェブサイトやiPhone/iPad/Apple TVのアプリを通じて生中継されるほか、イベント後はYouTubeやPodcastアプリでも録画が見られるようになる。

なお、筆者のTwitterアカウント @taromatsumura では、会場周辺の様子やイベントの模様をテキストで中継する予定だ。

3モデルのiPhoneを発表し、時差で発売する

10)アップル全体の戦略に変化はあるか?

アップルは現在、6〜7割の売上高をiPhoneから得ており、今後もその傾向に大きな変化はないだろう。売上高全体は拡大しており、その結果としてアメリカで初めての時価総額1兆ドルを達成した。

3モデルを発表し、時差で発売するという昨年の戦略は完全に成功したと結論づけていいだろう。成功した戦略については、市場環境の大きな変化さえなければ、継続することが最も安全な施策と言える。今年、販売戦略に変更を加える必要性を、現状強く見いだす要素は見当たらない。

年間のiPhoneの販売台数は2億1000万台程度で推移しており、大きく増減していない現状がある。それでもiPhoneからの売上高は成長している。たとえば2018年第3四半期(4〜6月)では、iPhoneの販売台数は1%増だったが、売上高は20%増加した。

これは、999ドルからのiPhone Xの販売が好調であると同時に、2017年モデルのiPhone 8シリーズの好調さもある。例年、4月以降は、半年が経過した最新モデルよりも、それ以前に発売され併売されている過去のモデルの売り上げが顕著になってくる傾向があった。

つまり、699ドルから販売されている4.7インチのiPhone 8がよく売れたとしても、例年よりも平均販売価格が高まることを意味し、その結果が前述の販売台数がほぼ変わらず20%増の売上高を実現する背景にある。

3モデル構成のiPhoneのうち、1モデルが低価格の液晶モデルと言われているが、裏を返せば、ほかの有機ELパネルの2モデルは、2017年のiPhone Xまではいかないまでも、既存のiPhone 8シリーズよりも価格が上がることを意味する。結果的に、平均販売価格の上昇傾向を維持する施策と考えられる。

Androidスマートフォンとの価格差はさらに開いていくことになり、その戦略には限界も訪れることになる。緩やかに、高止まりする着地点を目指す一方で、サービス部門、ウェアラブル部門などの成長を加速させ、iPhone依存からの脱却への道筋を立てていく必要があることを考えると、アップルにとってもさほど多くの時間があるわけではなさそうだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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