ニコン、出遅れた「高級ミラーレス」の本気度

屋台骨の一眼レフ事業とは食い合うのか

ニコンはこれまで一眼レフメーカーとして、キヤノンとシェアを2分してきた。なぜ今、ミラーレスにこれだけの力を注ぐのか。

ニコンが展開するミラーレスの「Z7」(上)と一眼レフの「D850」(下)の断面図。ミラーレスのコンパクトさがわかる(撮影:梅谷秀司)

現在のカメラ市場では、ニコンが得意とする一眼レフが減少する一方、ミラーレス市場が伸びている。ミラーレスは本体内部にレンズがとらえた光をファインダーに反射する「ミラー」がないため、一眼レフよりも小型で軽量という点が支持されている。

2017年の一眼レフの世界出荷台数は740万台(前年比13%減)の一方、ミラーレスは414万台(前年比18.6%増)だった。その中でニコンは、中高級機どころかミラーレスでのシェアはほぼゼロに等しい(いずれもテクノ・システム・リサーチ調べ)。

小型ミラーレスで犯したニコンの失敗

ニコンのミラーレス事業には、過去の苦い経験がある。2011年に発売した「Nikon 1」は、同社として初めてのミラーレスだった。手軽な持ち運び用という位置づけだったが販売は厳しく、2015年以降はミラーレスを出していなかった。現在はNikon 1シリーズの生産をやめており、新製品の開発計画もない。牛田社長は「ミラーレスはZシリーズに集中していく」と話す。

ニコンが入門機ではなく中高級機のミラーレスを投入した背景には、性能の向上が続き、中高級機の存在感が増していることがある。カメラ映像機器工業会によると、ミラーレスを中心とするノンレフレックスカメラの平均単価は2012年には3.16万円だったが、そこから右肩上がりが続き、2017年には5.43万円となった。

単価上昇の牽引役となっているのがソニーだ。ソニーは光を電気信号に変換するイメージセンサーという半導体で、「フルサイズ」という大きさを使った製品を出している。これはプロのフォトグラファーやハイアマチュアが使う一眼レフに搭載されるセンサーと同じサイズだが、今回ニコンが発表するまでは、ソニーのみがミラーレスに搭載していた。

高価格帯を充実させる戦略が奏功し、ミラーレスにおけるソニーのシェアは高く、2017年の世界出荷台数ベースで42%に及んでいる(テクノ・システム・リサーチ調べ)。

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