中国が自由貿易区への国際法適用を検討 人民元の国際化目指す

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11月6日、中国指導部は、自由貿易区を本格稼働させ、国際貿易での人民元の使用を促す目的で、国内のFTZに国際法を初めて適用することを検討している。写真は2011年、北京で撮影(2013年 ロイター/Jason Lee)

[香港 6日 ロイター] -中国指導部は、自由貿易区(FTZ)を本格稼働させ、国際貿易での人民元の使用を促す目的で、国内のFTZに国際法を初めて適用することを検討している。

関係筋によると、指導部は外国企業を呼び込むため、FTZへの国際法の適用を協議しているが、見解は一致していないという。

ある香港政府関係者はこの話し合いについて、「当局は、しっかりした法的枠組みとインフラを提供することが世界の企業をひきつけると認識している」と述べたうえで、当局者間の合意には「程遠い」と語った。

銀行関係者は、国際法の適用により、人民元取引の自由化に向けた中国の取り組みが唯一成功した例である香港と、中国のFTZが将来的に競合するようになるとみる。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者のマーク・チャンドラー氏は「香港でのオフショア人民元取引は実験だ」とし、「実験が成功したら本土に戻し、成功しない場合は見捨てるというのが政策方針だ」と述べた。

中国指導部はこれまで、香港をオフショア人民元取引の主要拠点として売り込んできた。現在、中国の国際貿易の約18%は元建てで、その大半は香港を経由している。

香港の成功は、1997年に香港が英国から中国に返還された際に採用された「一国二制度」の統治方式に基づき独自の法と自由が認められたことによって支えられてきた。

中国共産党は9─12日に非公開で開催する第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)で、各地で多くのFTZを本格稼働させるための取組みについて決定するとみられる。中国ではすでに複数のFTZが設立されているものの、多くの場合は参加企業の運営をめぐる規則があいまいで、大きな成功は収めていない。

広東省の前海、天津、厦門などにFTZが設立されているほか、上海FTZが最近稼働を開始した。

シンガポールのDBSや米シティグループは上海FTZで最初に支店を開いた金融機関に含まれる。他の外国銀行や企業の関係者は、台北やシンガポール、ドバイなどの金融拠点で認められているような特別な法的権利を中国が認める場合、中国のFTZに参加する意向を非公式ながら表明している。

香港駐在の欧州銀行の越境取引業務責任者は「中国が国内のFTZに同様の法的枠組みを採用する場合、海外の企業や銀行は中国のFTZに殺到するだろう」と述べた。

香港の政府関係者は、国際法適用は大きな転機となるとはいえ、中国の政策当局者の間で適用への抵抗は見られると指摘。「国際法の適用をFTZに認めることは、基本的にはFTZ内での支配権を譲ることになる」と述べた。

三中全会では、改革に向けた政策基盤が示される可能性があるが、詳細なルール、規則、法律の策定にはさらに時間がかかる可能性がある。改革により、オフショア人民元取引の主要拠点として香港を売り込む役割を中国政府にもはや期待できなくなる可能性が想定されている。

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