順位激動!東京の「利用者が多い駅」トップ40 今は1位の新宿駅も、65年前は3位だった

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最新のランキングで上位5駅に入るのは、新宿、池袋、東京、品川、渋谷だ。1953年度以降の乗客数を眺めていても、多少の変動はあるものの、これらの駅は少なくともつねに10位以内には入っている。ただし「品川駅を除いて」だ。

品川駅といえば、1872年開業と日本の鉄道史の中でも最も古い駅の1つであり、なおかつ東海道新幹線、最近であれば上野東京ラインも発着することから城南部の玄関口としての条件は整っている。

私が初めてまともに品川駅を利用したのは2008年の2月。大学受験のため、品川駅高輪口の宿に滞在していた。受験会場へ向かったのはちょうど朝ラッシュの時間帯だった。改札を出て港南口のオフィス街へ向かう大勢のビジネスマン、そして次から次へと列車は来るのに一向にすく気配のない山手線ホーム、これらに大いに圧倒された。「東京=人が多い」を印象付けるのに、十分すぎる光景だった。

品川駅はいつから急成長したか

しかし1950年代~1960年代にかけての乗客数は20位台をうろついており、ベストテン入りを果たしたのは1970年代後半以降のこと。1990年代後半にようやくベストファイブのお仲間となった。今でこそ1日平均37万人超の乗客数を誇るこの駅だが、1953年度はおよそ3万4000人で、当時は高円寺や荻窪、大森よりも少なかった。

品川駅の順位が最初に大きく変動したのは1976年度のこと。1日当たりの乗車人員は、1975年度は9万5098人であったのに対し、1976年度は13万6318人まで増えている。同じ品川駅に乗り入れる京急電鉄も同時期に乗車人員が急増しており、1975年度が3万6421人であったのに対し、1976年度は7万8115人に。要因としては、この年に総武快速線が東京から品川まで延伸しており、それによって人の流れが変わったことが考えられる。

ところで品川駅には、山側の高輪口と海側の港南口があるが、それぞれ趣はかなり異なる。前者は高層ホテルの立ち並ぶ観光エリア、後者はオフィス街という印象が強い。

高輪口側でも特に目立つのが、プリンスホテル群。最も古いのは1953年に開業したグランドプリンスホテル高輪で、1978年に品川プリンスホテル、1982年にグランドプリンスホテル新高輪、1998年にはザ・プリンスさくらタワー東京が開業している。江戸時代にさかのぼれば、武家屋敷の立ち並んでいたこのエリアは、明治以降、払い下げによって高級住宅街となり、そして現在へと至る。

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