「道の駅」の食べログ評価はなぜ低いのか 全国に1000以上ある道の駅を徹底調査

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次点に定食・食堂、アイスクリームが続くが、アイスクリームがいちばん始めにくる駅は、それ以外の食べ物がないか、印象がない駅ということになるだろう。

そうした駅がわざわざ立ち寄り、一定時間滞在する目的地となることはまれだろう。

道の駅に期待するもの

マーケティングの理論の1つに、滞在時間が伸びると購買価格が上がるデータがある。道の駅が集客を目指すなら、単なるトイレ休憩目的での利用者を待つのではなく、土日や祝日イベントなどの仕掛けは積極的に行っていかないといけない。

ロードマップ『道の駅 旅案内 全国地図 平成30年度版』(ゼンリン)には、道の駅にある温泉全132湯と、駅周辺の日帰り温泉1000湯を特集してあり、旅の提案をしている。

売上高10億円を超える道の駅がある一方、赤字経営の道の駅も多いと聞く。地方自治体が出資している駅は、税金の財政負担で運営されている。

「道の駅」発足から25年、明暗は分かれつつあるが、今後も存続を目指すなら、道の駅に何度も滞在する理由を積極的に作っていくべきである。

たとえば「朝採れ野菜の〇色サラダ」「近隣〇〇漁港より直送の地魚入荷」「焼き立てメロンパン〇〇時に出来上がり〇〇個限り」「夏限定、旬な〇〇味アイスクリームが食べられるのは〇月〇日まで」「小学生のお子様だけ〇〇ノベルティ・グッズ、先着〇〇名様贈呈」などである。

また、地域の「6次産業」の推進拠点としての役割を強化することも有効だ。「6次産業」とは、1次産業(農林水産業)と2次産業(食品加工を伴う製造業)、3次産業(販売を担う小売・サービス業)を一体的に推進する事業モデルを指す。

この6次産業の事業体には、道の駅は最適である。近隣の農林水産業の産地直売的な機能は、すでに道の駅に備わっていることが多い。そこに地元で加工した製品やそうした製品を提供するレストラン等を展開することで付加価値を高め、雇用と収益を生み出すことが期待できる。この地にある道の駅にしかないサービスでこそ、他駅との差別化を図ることができるからだ。

道の駅関係者はぜひとも、食べログ3.50点以上8駅や上位駅を視察してほしい。休憩施設のなかで、飲食部門は有力コンテンツのはずだ。そこに必ずやヒントや解決策があるはずだ。

新山 勝利 研修講師、マーケティングコンサルタント

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にいやま しょうり / Shouri Niiyama

専門領域は店頭マーケティング、購買心理プロセス、顧客満足度。飲食店のコンサルティングでは、点数を分析したデータ主義で売上向上を図り「食べログ」の評価3.50点達成を推進する。顧客満足を高める販売促進、店舗の活性化や売場づくりのためのノウハウを提供。メーカーや全国の商工会議所などの団体、広告代理店、卸売、量販、チェーン店などが主要顧客。他業界の成功事例を用いて、写真や図表を活用した説明を行う。世界30カ国、150都市を歴訪。中でもフランス・パリには30回訪問。諸外国の先進的な産業事例にも造詣が深い。多数の専門誌に執筆するほか、各種マーケティング学会で論文発表。著書に『売れる商品陳列マニュアル』(日本能率協会マネジメントセンター)など。公式サイトはこちら

 

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