ホンダ「シビック」、日本復活から1年の通信簿 販売はまずまず、ただし先々には不安も

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一方、かつての大衆車仲間であるトヨタ「カローラ」は、12位。1~6月の販売台数を比べるとカローラの3万9607台に対し、シビックは1万0319台で、3分の1以下という水準だ。

主力のグローバルカーという位置づけはカローラもシビックも同じといえるが、シビックが日本市場から一時撤退した影響は大きい。またカローラが国内市場のために5ナンバー車を残す決断をしたのに対し、シビックは海外市場との共通性を優先し3ナンバー化したことも、国内におけるシビックの存在感の薄さにつながっているのではないか。もちろん、カローラに通じる5ナンバー小型車としての価値は、フィットやシャトルが代行しているともいえる。

シビックつまずきの大きな原因

今後、シビックはどのような道を歩んでいくのだろう。

そもそもシビックは、初代から7世代目までハッチバック車を主として小型車市場に供給されてきた。シビックといえばハッチバック車との印象が強い。そして新型シビック発売からの販売比率を見ると、タイプRを含めハッチバック車がほぼ7割に達し、セダンは3割前後で推移している。また、ハッチバック車のなかでタイプRの販売台数は、15~20%を占めている。

シビックが、今日なおハッチバック車としての認識が国内市場で高い様子がうかがえるうえ、俊敏で快活な走行性能を備えるタイプRへのあこがれが強いことを改めて認識させられる。

競合車として想定される輸入車のフォルクスワーゲン(VW)「ゴルフ」や、プジョー「308」、ボルボ「V40」などもハッチバック車であり、ゴルフにおいては高い走行性能で知られるグレードの「GTI」が根強い人気である点も、シビックに通じるところがある。

そうしたシビックそのものへの消費者の思いや、世界的な小型人気車種のハッチバック志向と別に、2005年の8世代目シビックで4ドアセダン中心に国内販売を進めたことが、シビックつまずきの大きな原因であったのではないかと想像できる。

7世代目シビックがホンダの期待を裏切り販売不振であったことが、8代目での4ドアセダン化につながったようだ。

実は、7世代目シビックの元の構想は、次世代の小型車の新しい価値として創出されたもので、シビックを想定したものではなかった。ところが急遽シビックに転用されたいきさつがある。したがって、未来志向のシティコミューター的な造形とパッケージングは斬新かつ新鮮だったが、歴代シビックとしてみた場合の快活さはなかった。そうした社内の混乱が、「ホンダといえばシビック」と言われるほどの旗艦車種の運命を左右したともいえるのである。

主力のアメリカ市場では、シビックは絶対のブランドであり、アメリカ市場にはシビッククーペも投入されるなど、消費者に対する厚い配慮がなされてきた。それというのも、アメリカ市場では、シビックの次は「アコード」と出世するように車種を上級へ格上げするのではなく、シビック所有者は次もシビックに買い替え、他車への乗り換えを考える消費者が少ないという特殊性もあったはずだ。それほど、シビックや、ホンダに対する愛情は深い。

日本市場への復活に際し、ハッチバックを軸にタイプRを準備し、そのうえで4ドアセダンもそろえるというシビックの車種構成は、一定の成果を収めたといえるだろう。

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