便利?東急「預金下ろせる券売機」は使えるか

来春ほぼ全駅で開始も利用できる銀行は一部

もっとも、メガバンクはもちろん、地銀から信金、信組に至るまで、大抵の金融機関の預金を下ろせる銀行やコンビニのATMとは違い、利用できるのは横浜銀行、もしくはゆうちょ銀行に預金口座を持っている人のみ。メガ3行は対象外だ。

機能も引き出しのみで、コンビニのATMとは異なり、預け入れや振り込みなどはできない。というのも、このサービスはGMOペイメントゲートウェイが開発した、スマホ版デビットカード「銀行Pay」の技術を使っているからだ。

券売機の右側にはQRコード読み取り機が設置されている(撮影:尾形文繁)

銀行Payは、食事や買い物をした際、手持ちの現金がなくても預金口座から直接決済できるデビットカードの機能を、アプリを使ってスマホ上で使えるようにしたサービスで、横浜銀行が先陣を切って「はまPay」の名称で昨年7月に導入。福岡フィナンシャルグループ3行も「YOKA! Pay」の名称で、福岡銀行が今年3月、熊本銀行と親和銀行が今年7月に導入済み。りそなグループ3行は今秋、ゆうちょ銀行も来年2月にサービス開始を予定している。逆にいえば、今後サービスの対象となる銀行が拡大されるにしても、それは銀行Pay導入予定金融機関に限られるということになる。

東急線の利用者で、福岡フィナンシャルグループ3行やりそなグループの埼玉りそな銀行や近畿大阪銀行に預金口座を持っている人はごく少数だろうから、いまのところ、横浜銀行とゆうちょ銀行以外の銀行口座への拡大余地はりそな銀行1行だけ。今後対象銀行をどの程度拡大できるかは、GMOの営業力次第と言える。

昨年の制度改正で委託先要件を緩和

東急の今回の試みは、預金引き出し業務のみとはいえ、銀行以外の一般事業会社が銀行業務を手がけることにほかならない。

銀行が自らの業務を銀行以外の事業者に代理させることは厳しく規制されてきた。2006年4月1日施行の改正銀行法によって、銀行代理業制度が創設され、一般事業会社でも銀行を代理することが制度上は可能になった。

だが、銀行を代理できる事業者は金融庁の許可を得た事業者に限られ、その許可要件も銀行勤務経験者の配置義務があるなど厳しく、許可を受けている事業者数は今年3月末時点で全国合計でもわずか62。それも保険会社、証券会社、クレジット会社など銀行のグループ内企業が大半だ。

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