被災しても守る「ひとり親世帯」の子の居場所 大阪北部地震で移転を余儀なくされた学習塾
子どもの居場所が被災
2018年6月18日7時58分頃、大阪北部を震源とした最大震度6弱の地震が発生してから、1カ月超が経過しました。
大阪府防災・危機管理指令部によると、2018年7月25日時点で、大阪北部地震による大阪府内での人的被害は死者4名、負傷者361名、また、住家被害は全壊数11棟、半壊数258棟、一部損壊に限っては36698棟となり、42名が今も自主避難を続けています(※1)。被害は大阪府内にとどまらず、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、三重県、徳島県で合わせて74名が地震により負傷し、京都府、奈良県、兵庫県で2465棟が一部損壊の被害を受けました(※2)。
被災した中には、子どもたちの「居場所」となっていた場所もありました。NPO法人「あっとすくーる」が運営する学習塾「渡塾」です。「あっとすくーる」では、2010年より大阪府高槻市と箕面市で、ひとり親世帯の中高生を支える学習塾を運営してきました。今回の地震により高槻校が被災。柱などの構造部の損傷、構造のゆがみによる教室内の天井板の破損等の被害により、塾が入っているビル自体の継続使用ができなくなり、移転を余儀なくされました。
1週間休講した後、市内の飲食店「はる遊食堂」の一角を借りて一時的に高槻校を再開し、何とか子どもたちの勉強する場所を確保することはできました。
しかし、被災によって失われたのは、ただ子どもたちが「勉強するだけの場所」ではなかったのです。