江ノ電の混雑対策、「沿線住民優先」は正解か 鎌倉市の「社会実験」に利用者が下した評価

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バスといえば、筆者が意外とこれはできるのでは、と思ったのがツイッターにあった「鎌倉―長谷間を併用軌道(路面電車のように道路を走る形)にして、混雑時はそこに続行バスを走らせる。この区間は江ノ電と専用バスだけが走れるようにする」という意見である。

「確かにこの案は、技術的には可能だと思います。鎌倉と長谷のどこにバスの回転場と乗降場を設けるかの問題や、バス車両、乗務員の手配等の問題があります。さらには鉄道の法規類に抵触する可能性があり、現状では難しいと思われます」(同社)

このほか江ノ電を他の大手私鉄並みに近代化する案もいただいた。だが、多くの方はそれを望んでおらず、現在ののんびりしたチンチン電車の風情を残してほしいという意見が圧倒的に多いのも印象的だった。

「地下複線化」は支持3、反対44、「観光客向けの風情を排除し普通の電車」に支持8、反対70の結果である。

混雑時「大仏へは徒歩で」

前回の記事で筆者が強調したことに、混雑時は鎌倉―長谷間を歩くことの奨励とその案内、情報の提供がある。実際、社会実験当日は、鎌倉市観光課の職員が鎌倉駅頭で乗車待ち列に並んでいる人へ同区間を歩くことを勧め、わかりやすい地図を配っていた。

社会実験当日、鎌倉―長谷間を歩く観光客=2018年5月4日(筆者撮影)

「鎌倉駅から長谷の大仏まで歩いても30分弱。駅前を市役所方向の西に歩き、2つトンネルを抜けた所(長谷大谷戸)で左に曲がってください。そこから真っすぐいけば大仏様です。そのあたりは鎌倉らしい光景の落ち着いた地域で、歩くのにいいところです」(鎌倉市観光課)

こうしたことを知っていれば、30分も並ぶのではなく歩く人も多いだろう。その情報提供の徹底を求めるコメントに対して、支持369、反対3だった。「市としてもこうした賛否の数字をいただいたのは参考になり、たいへんありがたい」(同)。これからもさらなる情報提供を望みたい。

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