江ノ電の混雑対策、「沿線住民優先」は正解か 鎌倉市の「社会実験」に利用者が下した評価

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当記事に関するコメントでは、解決案もいろいろと示していただいた。

「江ノ電の車両を2階建てにして定員を増やす」(NONAMEほか)
「小田急片瀬江ノ島駅から江ノ電江ノ島駅に線路を引き小田急から乗り入れ可能に」(同)

など、かなり大胆な案もいただいたが、わりあい実現しやすそうな案もあった。

そこで江ノ電本社を訪ね、これらの案の実現可能性などを取材してみた。

「優先入場」に賛成多数

その前にまず、社会実験の実施主体である鎌倉市が行ったアンケート調査の結果から見ていこう。

江ノ電鎌倉駅の「社会実験実施中」の立て看板(筆者撮影)

鎌倉の混雑状況に対してどう思うか、との問いに対しては観光客の82%の人が「とても混雑し移動に支障がある」と答えた。

今回の社会実験(住民が鎌倉駅改札外で並ばずに駅構内へ入場できる取り組み)については、沿線住民(有効回答数173人)の47%が「とても有意義」、31%が「有意義」との回答で、合わせて約8割近くが有意義との意見だった。

一方、観光客(同118人)も48%が「理解できる」、29%が「おおむね理解できる」で、こちらも約8割近くが理解できるとのことだった。

ご存じのように東洋経済オンラインの記事のコメントには、読者が支持、不支持をクリックした数字が示される。それによれば市のアンケート結果より鮮明な結果が出た。

市のアンケートは沿線住民と鎌倉へやってきた人に限られるが、こちらは、こうした問題に関心のある全国の方々である。

「この社会実験は素晴らしい。検証してよりよい施策になることを期待」(ヨシダほか)支持298、不支持11

なんと96%の方が支持している(同内容の複数コメントをまとめて算出)。このほか、藤沢市など今回対象外だった沿線住民向けにも行ってほしいとのコメントに対して、ほぼ100%が支持だった。

鎌倉市にこの結果を伝えると「皆様からいただいたコメントも参考にさせていただき、来年度以降の取り組みについて検討してまいりたい」(交通対策課)とのことで、さらに進化した取り組みを期待したい。

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