「昭和の竜宮城」がホテルに生まれ変わる必然 高級路線で訪日客を狙う「ホテル雅叙園東京」

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まずは好調に滑り出した雅叙園のリブランド戦略。だが、ホテルとしての知名度という点では、なお不十分といえるだろう。国内では、雅叙園=結婚式場という固定観念は根強く残っている。

客室単価は3万円も上昇、5万円超え

宿泊の平均客室単価(ADR)についても、改装効果で約2万円から約5万円と3万円も上昇したが、80平方メートル以上という部屋の広さを考えると、まだまだ引き上げる余地がある。そのためには、現在約6割の外国人客比率のさらなる向上が必須。「現在はアジア圏が中心だが、これからは欧米客も積極的に取り込んでいきたい」と本中野氏は語る。

「ホテルとしてのブランド価値向上が課題」と本中野真・目黒雅叙園社長(撮影:今井康一)

訪日客への最大のアピールポイントは、やはり「雅叙園らしさ」である美術品だ。90周年の今年、雅叙園は「A MUSEUM HOTEL of JAPAN BEAUTY(日本美のミュージアムホテル)」という新たなコンセプトを発表。

国内外に向けて、雅叙園の歴史や文化の発信を強化する。その一環として、6月からは宿泊客限定で館内の美術品の数々を案内するアートツアーを開始した。

90周年事業として、今秋パリでのイベントも計画中だ。「海外から雅叙園がどのように見られるかを把握し、『ぜひ行ってみたい』と思ってもらえるようなプロモーションを展開していきたい」(本中野氏)。

東京にある小規模ラグジュアリーホテルとしてのブランド価値をいかに高めていくか。雅叙園の新たな歴史を刻む挑戦は始まったばかりだ。

三上 直行 東洋経済 記者

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みかみ なおゆき / Naoyuki Mikami

1989年東洋経済新報社入社。これまで電機などを担当。現在は、冠婚葬祭業界を担当。

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