地方への政府機能移転にほぼ意味がないワケ

望ましいのは国に集中する権限の一部委譲だ

地方移住希望者の増大という前向きな変化も生まれてはいるが…(写真:PamelaJoeMcFarlane/iStock)

地方創生で政府は、年間10万人を東京から地方へと移す目標を打ち立てた(東京圏への転入6万人減、東京圏からの転出4万人増という計算)。この方向に沿って、全国の自治体では移住を進める政策がはじまり、各道府県では東京にその移住希望者への情報提供窓口を開設するなど積極的な働きかけを開始した。

移住対策ははたして人口増加につながるか

地方移住運動を地方創生以前からずっと手がけてきた認定NPO法人・ふるさと回帰支援センターにはいま、そうした動きを受けて東京都と大阪府を除く45道府県のブースが開設され、一部を除いて相談員が配置されている。市町村などで独自に対応しているところもあり、移住対策は地方創生の花のような事業となった。

だが、ごく単純に考えれば、移住では人口は増えない。

地方移住が日本全体の人口増加につながるとすれば、それは次の条件を満たしたときだけだ。すなわち、移住したことによって、産む子どもの数が1人でも多くなった場合である。

だから、地方移住を進めて自治体が互いに人口を取り合うことは、それだけでは人口増対策としての意味はない。むしろ来てもらってからの対策(働き方や子育て支援)のほうが重要なのだが、その連動は今のところ考えられていないようだ。

もっとも、東京の有楽町駅前の東京交通会館にあるふるさと回帰支援センターを訪ねてみればわかることだが、移住相談は日にかなりの数が行われており、しかも年々増加している。移住セミナーも連日開催され、相談者も目標が曖昧なIターン中心だったものから、次第に確実性の高いUターン希望者が増えつつあり、各県がブースをおいて対応している意義は強まっている。

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