世界最強「グーグル検索」が背負う期待と責任 業界随一「検索ウォッチャー」を採用した理由

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――この20年間、グーグル検索はどのように変化してきたのでしょう。

大きく分けて4つの転換点があった。1つはグーグルが“唯一”の検索エンジンだと多くの人が考えるようになったことだ。私がメディアを始めた約20年前は、(ヤフー、エキサイト、インフォシークなど)複数の検索エンジンがあった。だが、グーグルが一大ブランドになった。だからこそ、検索エンジン自体の問題でも、グーグルの問題だと見なされるようになり、多くの人が批判の的にしてきた。

2004年に来日したグーグル共同創業者のサーゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏。グーグル検索が日本でも普及し始めた頃だ(写真は「グーグルデスクトップ検索」(当時)の発表会見、撮影:大隅智洋)

2つ目は、検索の対象が多様になり、よりインタラクティブになったことだ。かつてのグーグル検索は1ページに10個の「ブルーリンク」(青字のハイパーリンク)を表示するだけだった。それが今では写真や動画、ニュースなどさまざまなコンテンツを表示するようになった。

2001年の9.11同時多発テロが起こった日、私はニュースを見ようと検索をかけたが、旧世界貿易センタービルの展望台など、観光関連のウェブサイトばかりが出てきた。当時はニュースを検索するという概念がなかったからだ。(ニュースや動画など)対象を特定の分野に絞り込む「バーティカル検索」の登場は検索を大きく変えた。

スマホ、AIスピーカーの登場で激変

3つ目は、スマートフォンの登場だ。これによって実質的に24時間365日、検索ができるようになった。デスクトップ時代のように、コンピュータの前に座り、モデムをつなぎ、キーボードをたたくのではなく、いつでも答えが得られる。ユーザーの要求が高まり、検索プロバイダはそれを満たさなければならなくなった。

スマートフォンやスマートスピーカーの登場で、人々の検索の仕方は大きく変わった(左写真:記者撮影、右写真撮影:今井康一)

そして最後が、音声による検索である。今まさに起きていることだ。グーグル、アマゾン、アップルなどが開発したスマートスピーカーに象徴されている。

ある日、私はペットのモルモットに餌をやろうとキッチンにいた。冷蔵庫をのぞくとブドウがあったので、スマートスピーカーの「グーグルホーム」に、「OKグーグル、モルモットはブドウを食べられる?」と聞いた。すると、「食べられます。ただ、あげすぎないでくださいね」との返答。開いた冷蔵庫からの冷気を浴びながら、衝撃を受けたのを覚えている。階段を上がってパソコンの前に座らずとも、スマホに手を伸ばさずとも、答えを得られる時代になった。

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