アルファロメオ「ステルヴィオ」は何が凄いか 初のSUV、スポーティでも不安なく楽しい

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2014年にクライスラー買収をまとめ、フィアット、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)でCEOを務めたセルジオ・マルキオンネ氏が、7月25日に亡くなった。健康上の理由により退任することが発表された、わずか4日後だった。

クライスラーを買収した当時、大西洋をまたいだ異文化の大所帯などうまくいくはずがないという意見も聞かれたが、フェラーリやジープの成長を見る限り、少なくとも現時点では軌道に乗っているように見える。アルファロメオも、このFCAグループがもつブランドのひとつだ。

新開発プラットフォーム「ジョルジオ」

買収の翌年、主にFWD(前輪駆動)のハッチバック2モデルを販売するのみだったアルファロメオが、新開発プラットフォーム「ジョルジオ」を用いた4ドアセダンの「ジュリア」を発売した。

ジュリアは戦後のアルファロメオとしては最もヒットしたモデルの車名だ(写真:FCAジャパン)

ジュリアは戦後のアルファロメオとしては最もヒットしたモデルの車名だ。特筆すべきはジョルジオがエンジン縦置き(RWD<後輪駆動>およびRWDベースの4WD)用のプラットフォームだということ。アルファロメオのRWDは「スパイダー」や「75」以来20年以上ぶりとなる。

ジョルジオがRWD用プラットフォームであることは単にメカニズム上の事実にとどまらず、アルファロメオブランドを戦前の超高級スポーツカーメーカーのポジションとは言わないまでも、戦後の本格的なスポーティカーブランドに戻すという、FCAの意思表示にほかならない。

そしてジョルジオ第2弾がステルヴィオだ。全長4690mm、全幅1905mm、全高1680mm。前後車軸間を意味するホイールベースは2820mm。メルセデス・ベンツ「GLC」、BMW「X3」、アウディ「Q5」、レクサス「NX」あたりと競合するサイズだ。

ファーストエディションが搭載するエンジンは2リッター直4ターボ(最高出力280馬力/5250rpm、最大トルク40.8kgm/2250rpm)。吸気側のバルブ駆動にカムシャフトの代わりに電子制御の油圧ピストンを用いるマルチエアというフィアットグループ自慢のシステムを用いる。油圧ピストンを使うことで、カム駆動では不可能なきめ細かいバルブコントロールが可能となって効率が上がるという触れ込みだ。トルコン式8速ATと組み合わせられる。

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