地下鉄銀座線の「トリビア」本当か調べてみた 「デパートが駅建設費負担」は証拠がない?
デパートの意向により建設されるのなら、浅草方面と渋谷方面、両方からのアクセスがよくなるよう設計するはずなのに、このような片側のホームに隣接するように造られたのにはワケがある。
当時、上野から新橋へ向けて路線を延長していた東京地下鉄道は、三越前や日本橋などでデパートと駅を直結する地下通路を建設し、買い物客を利用者に取り込もうとした。
そんな計画を聞きつけた当時の松坂屋の専務、小林八百吉が、大学時代の後輩で東京地下鉄道の創始者、早川徳次に「デパートに隣接する場所に駅を造れないか」と頼み、建設予定のなかった場所に上野広小路駅を造った。急きょ建設された駅なので、片側のホームだけがデパートに隣接する、変わった構造の駅となったのだ。
このことが事実かどうかを調査するために松坂屋の社史や広報誌を見せていただいたところ、上野広小路駅建設の経緯が、上述のような感じでハッキリと書かれていた。
ただ、東京メトロ側の資料を確認することができなかったので、確証度はBレベルか。
通路の内装をデパートが担当
日本橋駅の渋谷寄りの改札口を出て少し渋谷寄りに歩いた場所から、髙島屋の地下1階の入口までの通路は、髙島屋が内装を担当する地下通路。現在は工事中のため、壁に囲いなどができているこの通路は、地下鉄開業当初から髙島屋が全力をかけて利用者をおもてなししていた通路だった。
担当者を訪ねて話を聞いたところ、この通路は日本橋髙島屋に来店する人の4割が利用するという、お店にとって一番大事な場所。通路の所有者は東京メトロだが、髙島屋では床に使う大理石を提供するなどして、利用者をもてなしているという。
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