地下鉄銀座線の「トリビア」本当か調べてみた 「デパートが駅建設費負担」は証拠がない?

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地下鉄三越前駅の入口。駅は三越が全額負担して造ったといわれているが、証拠となる明確な資料は確認できなかった(編集部撮影)

さらに話を聞くと「三越前の駅名の話題は、さまざまな媒体で登場しているが、たくさんの場所で出まわりすぎていて、紹介しているところ1つ1つに連絡を入れるのもキリがない」という理由や、三越側に確認の連絡などもないので、特に関知していないとのことだった。

ちなみに、東京メトロの「銀座線リニューアル情報サイト」には、三越の全額負担によって三越前駅ができた、と書かれていることから、三越とこの区間を建設した東京地下鉄道の間で何か約束が交わされたことは間違いないようだが、その後の取材で「三越が駅の建設費を全額負担した」という証拠となる資料を確認することはできなかった。

乗り換え便利なあの駅の歴史

赤坂見附駅は、開業当初から二層式のホームだった【確証度A】

地下1階に銀座線の渋谷方面と丸ノ内線の荻窪方面、地下2階が銀座線の浅草方面と丸ノ内線の池袋方面と、二層式になっている赤坂見附駅のホーム。渋谷―新橋間の建設を担当した東京高速鉄道が、赤坂見附から新宿方面へ分岐する路線を計画していたため、このホームは開業当初(1938年)から二層式のホームで建設されたという。丸ノ内線が開業したのは21年後の1959年だ。

銀座線の駅で見られるリベットのある鉄骨(写真は「幻の新橋駅」)だが、赤坂見附駅では丸ノ内線ホームでも見られる。路線の開業時期は違うが、同じ時期に建設されたことを示している(撮影:尾形文繁)

この件に関しては、銀座線や丸ノ内線の建設史に記されているので、紙資料だけで事実であることは確認できるが、赤坂見附駅に行っても、その痕跡をうかがうことができる。

丸ノ内線のホームへ行き、天井を観察すると、銀座線の上野駅や虎ノ門駅などで見られる、リベットを使用したイボイボの鉄骨が残っているのだ。

デパートの力で急きょ作られた上野広小路駅【確証度B】

銀座線の駅で、建設の際にデパートの意向がいちばん強くはたらいたのは、上野広小路駅だ。

この駅は、1番ホーム(渋谷方面)と上野松坂屋が接しており、かつては、駅から松坂屋の地下のフロアが見える構造になっていた。

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