アプリにできない郵便局独自サービスとは?

民営化から10年、存在意義が試されている

全国津々浦々にある郵便局は、AI時代も必要不可欠な存在でいられるのか(写真:BOSE / PIXTA)

民営化から10年。インターネットの発達などによって不要論も叫ばれるなか、郵便局の役割やサービスはどう変わったのか。郵便局はこれからも必要不可欠な存在であり続けられるのでしょうか。

ある土曜日の午後、郵便局の会議室に16名の社員が集結しました。集まったのは、窓口社員だけでなく、局長、指導する立場の社員など、さまざまな職種、さまざまなエリアから来た人たちでした。2カ月に1回開催される勉強会に参加するためです。この会は、「郵便局がもっとお客様にメリットのあるサービスを提供する」ため、それに必要な知識を学ぶ目的で、安藤さん(仮名)というリーダーのもとに有志が集まり開かれているのです。

人にはしづらい相談がしやすい場所

読者の皆さんは、貯蓄や運用、保険、年金、相続といった、困りごとについて何かわからないことがあったとき、気軽に相談できるところはありますか。

郵便局は銀行や証券会社に比べて、所有する資産の額で差別されることもなく、お年寄りでも気楽に足を運びやすい庶民的な場所です。常連と思われるお客様が、職員と気さくに会話する憩いの場になっています。民営化された今も、それは変わりません。日本全国にあるので、旅行に行ったとき、地方の小さな郵便局に入ってみるとそれがよくわかります。そのため、郵便局には、人にはなかなか相談しづらい、こうした困りごとについて相談にやってくるお客様がたくさんいるのです。 

私たちは金融の知識を学校で教えてもらうことはありませんでした。特に、高齢者で高い金融リテラシーを持ち合わせている人は少ないと思います。ですから、若い人たちのように、自分で調べて最適な商品を選ぶのは非常に困難なことです。

実際、郵便局では昨今、年金の手続きの相談、相続や遺言の問題、障害のあるお子さんにどのように財産を残し管理していくかなど、ニーズの多い困りごとなど、さまざまな相談が寄せられます。

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