鳥貴族も苦戦!外食が抱える値上げジレンマ

コスト増を吸収する一方で、客数減の原因に

トリドールホールディングスが運営する丸亀製麺も今年3月末に天ぷらやうどんなど一部商品を10〜30円値上げした。既存店売上高は2018年4月まで20カ月連続で前年同月比プラスだったが、5月から減少に転じた。客数に限ると5月は9%減、6月は4.8%減と大幅なマイナスとなった。

前年にテレビ番組で取り上げられた反動やCMの出稿量を減らしたこともあるが、値上げの影響も少なくないはずだ。

値上げに慎重な吉野家

牛丼チェーンではすき家と松屋が一部商品の値上げに踏み切る中、静観を続けるのが吉野家だ。

同社は2014年に牛肉価格の高騰を理由に、牛丼並盛を税込み300円から380円に値上げした。すると客数が15%ほど落ち込み、回復までに長い時間を要した。

こうした苦い経験もあり、吉野家の河村泰貴社長は4月の決算会見で「牛丼は日常食なので客は10円、20円へ敏感に反応する。牛丼の値上げは検討していない」と述べた。ただ、吉野家ホールディングスの今第1四半期(3〜5月)は、柱の吉野家で客数が増加したものの、牛肉価格や人件費の上昇を吸収できず、5期ぶりの営業赤字となった。

当記事は「週刊東洋経済」7月28日号 <7月23日発売>からの転載記事です

他方、逆張りの戦略が奏功しているのが居酒屋チェーンの串カツ田中ホールディングス。同社は割引キャンペーンをあえて積極化することで、売り上げ増が続く。「飲食店にとって大事なのは客数。客単価の増加で客数減を補おうとしても、来店客が減り続ければ、あらゆる販促策の効果が弱まってしまう」(貫啓二社長)。

値上げはやはり鬼門なのか。各社は大きなジレンマを抱えている。

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