偽Amazon詐欺「騙されても泣き寝入り」の実態 「クリックし間違えたんじゃないですか?」
アマゾンをかたる詐欺集団については、
「詐欺罪ですね。10年以下の懲役です。また、アマゾンに対する威力業務妨害罪になる可能性もあります。3年以下の懲役または50万円以下の罰金ですね」
と高橋弁護士は指摘するが、
「この手の業者はそもそも裁判に出てこない。相手の所在をつかむことも難しい。裁判で勝っても、この業者の何を差し押さえられるのかが問題になります。詐欺集団はほぼ正規の口座を持っていない。押さえる資産がないんです。
法律的なハードルはたくさんあるので、弁護士が依頼を受けることはないと思います。弁護士をつけて裁判をするのではなく、警察の逮捕をきっかけに被害の補填を狙うしかないと思います」
手口を更新する詐欺集団にご用心
要するに、だまされない、引っかからないことが何よりも重要になってくる。
前出の消費者庁の担当者も、相手の手に金銭が渡ってしまうと、回収の見込みは低いという。
「もし、警察が検挙した場合でも、おカネが残ってないケースが多いですから、取り戻すことはなかなか難しいです」
と前出担当者。さらに、
「記憶にないものに関しては、SMSが来ても絶対に折り返してはいけません。無視する一手です」
と無接触を強くすすめ、
「188に電話をしてください。全国の最寄りの消費生活センターにつながるようになっています。もしくは警察の相談コーナー♯9110にご相談いただければと思います」
前出・大阪消費生活センターの担当者は、
「昨年度まではほとんどが電話をかけさせるものだったのが、最近はメールを送らせるようになっている。催促のメールが届いたので、解約しようと相手側に個人情報などを書き加えて返信してしまったというケースがあります。その方は、“自宅を訪問します”というメールが届いて驚いて相談に来ました」
詐欺集団は手口を更新する。バージョンアップする。それをきちんと知ることが、何よりも防犯の第一歩になる。
冒頭のSMSに書かれていた連絡先に、試しに電話をかけてみた。2日間で都合6度、連絡をしたが通話中の「ツーツー」という音が鳴るだけでつながらなかった。
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