クラロワのeスポーツが1億円賞与を出すワケ 選手はチームから「給料」をもらっている

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日本は「クラロワリーグ アジア」に参加しており、日本チーム4チーム、韓国チーム4チーム、そのほか中国本土を除くアジア諸国および地域4チームの計12チームで構成されています。選手はそれぞれのチームに所属しており、そこから給料をもらっています。いわば、Jリーグやプロ野球など、日本でおなじみのプロスポーツ団体と同じような形をとっているわけです。

ただ、Jリーグやプロ野球は、親会社をはじめとするスポンサーや地元開催時の入場料収入、放映権など、チームがそれぞれ稼いだおカネを選手に支払う独立採算制となっていますが、発足したばかりのクラロワリーグでは、そこまでの資金力や集金力があるチームはなく、Supercellからチームに資金援助が行われています。援助金から選手に支払われる給料や運営費などの分配は、チームに任せられていますが、選手への給料の最低額は設定されており、選手が職業としてプロ選手を続けられるようになっているとのことです。先ほど、世界一決定戦での優勝チームへ渡される1億円が、賞金ではなくボーナスであるという意味合いは、こういった背景からくるわけです。

エコシステムが確立していない

Supercellのeスポーツアジア担当の殿村博氏は「現時点では、まだエコシステムが確立しておりません。今、競技があって、プレーヤーがいて、ないのはマーケティングなんです。レストランにたとえるなら、シェフも食材もある、あとは客をどう呼ぶのかってことです」と語っています。

Supercellのeスポーツ アジア担当、殿村博氏(筆者撮影)

リアルスポーツでも大きな大会にはスポンサーがつくので、クラロワリーグの世界一決定戦でSupercellがボーナスを供出するのは問題ありません。ただ、リーグ戦での各チームの運営費や選手の給料までSupercellに頼るのはプロリーグとしては健全ではないと言えるでしょう。eスポーツはIPホルダーの資金力に頼ることが多いので、この点を解消するのが当面の課題と言えそうです。

そのためには、チーム単位でのスポンサー契約や大会時の会場の契約もチームで行い、観客などを集め、eスポーツ事業をマネタイズしていく必要があるわけです。現状では、入場料を払ってeスポーツを見に行くような習慣もなく、一般的な企業がeスポーツチームにスポンサードする土壌も多くありません。あったとしてもチームが運営でき、選手に高額な年俸を払えるだけの資金を提供しているところはほぼ皆無です。

このあたりは、eスポーツ先進国である韓国でもまだ確立しているとは言い難い点なので、難易度の高い問題ではありますが、少しずつでも対応していかなくてはならないのです。

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