新宿「歌舞伎町」は2大私鉄の開発で変わるか

東急は新ビル建設、西武は駅リニューアル

今後、歌舞伎町は新宿東宝ビルや東急の作る新しいビルといったランドマークの下、エンターテインメント関連の産業を活性化させる狙いだ。しかし、その狙いがうまくいくかどうかは未知数である。

東急グループは渋谷・新宿・池袋の副都心エリアでそれぞれ大型のシネマコンプレックスや劇場・ライブホールの整備を企画しており、同じような計画を進めている。これは東急の計画そのものというよりも、上位計画であるまちづくり計画や整備の理念が同じようなものになってしまっていることの表れで、同じような施設計画にならざるをえない事情も推しはかることはできる。

だが、3つのまちが同じような方向を向いていては、今までのような「独自性」は期待できないだろう。さらに言えば、歌舞伎町に関しては元々エンターテインメント施設を中心としたまちづくりを志向していただけあって、それ以外の要素を押し出しづらい。そのことが、駅から繁華街へのアクセスがわかりやすい池袋や、若年層向けの店が多い渋谷に人が流出する要因にならないか心配だ。

「日本を代表する繁華街」地位保てるか

確かに、現状の歌舞伎町の雰囲気は賛否両論であり、治安の悪いイメージは拭いきれていないのが実情だ。そんな中でまちを浄化したい行政や地域の気持ちもわかるが、飲食店や風俗店や映画館が隣接し、さまざまな人間模様を生み出しそうな雑多な雰囲気が生むエネルギーはやはり歌舞伎町が一番だ。娼婦の侵入を嫌っていた鈴木喜兵衛も、歌舞伎座誘致で花街(三業地)ができるだろうという予測でまちづくりをしていたという親族の証言もある。

ゆえに、歌舞伎町ではエンターテインメント施設と飲食店、そして風俗産業をうまく同居させ、バランスをとることでまち全体の雑多な感じやエネルギーを落とさないようにすることが望まれる。とても難しいとは思うが、治安と活気を両立させるにはその道しかない。「日本を代表する歓楽街」として認識され続けることが、世界各地から人を呼び寄せることや、東急や西武が考える事業とその狙いを達成する道ともなる。

これからも歌舞伎町では前途多難なまちの運営が続きそうだが、「さすが歌舞伎町」と言われるようなまちであり続けることを願いたい。

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