日経平均3日続伸でも終盤に失速、安値引け 「急速な戻しで株高には一服感」の声も

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 7月10日、東京株式市場で日経平均は3日続伸。前日の米国株高と円安基調を好感した買いが入り、一時250円を超す上昇となった。写真は都内で2014年7月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸。前日の米国株高と円安基調を好感した買いが入り、一時250円を超す上昇となった。中国株は軟調だったが、景気敏感セクターは底堅く推移。散発的な先物買いが裁定買いを誘発し、日経平均は後場に一段高となった。だが大引け直前に戻り売りが出て急速に伸び悩み、安値引けとなった。

日経平均に対してはファーストリテイリング<9983.T>とソフトバンクグループ<9984.T>、東京エレクトロン<8035.T>、ファナック<6954.T>の4銘柄の上昇が合計で約75円の押し上げ要因となった。

セクター別では電気・ガスや陸運、食料品など内需の一角が値下がりした。西日本豪雨により物流網が寸断される中、企業活動への影響に対する懸念が内需セクターの重しとなったとみられている。

上昇率トップとなったセクターは石油・石炭。出光興産<5019.T>と昭和シェル石油<5002.T>が来年4月に経営統合すると発表したことに伴い、両社の株価が急伸した。非鉄金属や電気機器、海運など景気敏感セクターもしっかり。DMG 森精機<6141.T>など工作機械関連や安川電機<6506.T>など設備投資関連株が後場に上げ幅を拡大した。

フィリップ証券リサーチ部長・庵原浩樹氏は「日本株は直近まで急速に戻しており、株高も一服感が出ている」と指摘。また「西日本地方ではモノが運べない状況になっており、相当な期間、影響が残りそう」と懸念を示す。

日経平均ボラティリティー指数<.JNIV>は前場に一時15.47ポイントまで下落。取引時間中として6月15日以来、約1カ月ぶりの低水準を付ける場面があったが、その後16ポイント台前半まで下げ幅を縮小した。TOPIXの上昇率は0.25%と、日経平均(0.66%)を下回った。NT倍率<.NTIDX>は一時12.95まで上昇。ザラ場ベースで半月ぶりの高水準を付けた。

個別銘柄ではヤフー<4689.T>が大幅高。ソフトバンクグループは10日、米アルタバ<AABA.O>が所有するヤフー株の一部について、子会社のソフトバンクが公開買い付けにより取得すると発表した。またヤフーはソフトバンクグループジャパンが所有する2200億円相当の自己株を公開買い付けにより取得する。大株主の売却に伴う需給面での懸念が後退したと受け止めた買いが入った。

半面、SUBARU<7270.T>がさえない。2020年度までの中期経営計画を10日発表したが、売上高や営業利益計画について「実質的に横ばいの計画。成長率という点でみて物足りない印象がある」(国内証券)との見方があり、売りに押された。

東証1部の騰落数は、値上がり932銘柄に対し、値下がりが1094銘柄、変わらずが73銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     22196.89 +144.71

寄り付き   22215.34

安値/高値  22196.89─22321.60

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1716.13+4.34

寄り付き     1723.84

安値/高値    1716.13─1731.21

 

東証出来高(万株) 152212

東証売買代金(億円) 26087.43

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