日産自動車、排ガス・燃費測定試験の不正発覚 九州以外の国内全工場で

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 7月9日、日産自動車は九州以外にある同社国内全工場で完成検査時の排出ガス・燃費の測定値を書き換えるなどの不正があったと発表した。 都内で2008年11月に撮影(2018年 ロイター)

[横浜市 9日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は9日、日産九州工場以外の同社国内全工場で完成検査時の排出ガス・燃費の測定値を書き換えるなどの不正があったと発表した。完成検査を無資格の従業員が行った問題の発覚以降も、一部の工場では不正が続けられていた。

山内康裕チーフコンペティティブオフィサーは本社で行った会見で「完成検査問題以降も続いていたのは、問題の根の深さと、我々の活動が道半ばだったことを示していると評価している」と述べた。

西川廣人・社長兼最高経営責任者(CEO)を含む経営陣の責任問題については「なぜこういうことが起きているかを的確に把握して、原因を究明して、二度と起こらない仕組みを作ることが経営陣の責任」とした。

同社は昨年9月に無資格の従業員が完成検査をしていたことが発覚、国土交通省から業務改善指示などの処分を受けている。同社はこの処分を踏まえて自主的な事業点検を実施、その中で日産九州以外の国内の全車両製造工場で、1)試験環境を逸脱した排ガス・燃費の測定試験を行っていた、2)測定値を書き換えて検査報告書を作成した、という不適切な行為が見つかった。

不適切行為に関わった検査員は10人

抜き取りの排気試験2187台のうち、試験環境の逸脱が690台、データ書き換えが913台、重複を勘案すると1171台で不正が行われていた。車種は19車種にのぼる。ただ、不正マニュアルのようなものが作られていた事実は出ていないという。

今回の不適切行為に関わったのは検査員10人。データが残されている範囲では、栃木工場で2013年に行われていた不正が最も古いものだという。

同社によると、信頼性が認められるログデータを再検証した結果、生産台数が少ないGTーRを除くすべての車種について、保安基準の適合性に加え、排出ガスの平均値が諸元値を担保できていることを確認。燃費についても、すべての調査対象車種について同様の確認ができたとし、「カタログなどで公表している燃費の数値に誤りはない」としている。このため「リコール(回収・無償修理)の必要はないと判断した」(山内氏)。GT―Rについても、現在生産車を全数測定し、同様の検証を継続している。

今回の不正を受けて、1)全車両製造工場で排気抜き取り検査をいったん停止し、管理者・監督者常時立会の下で検査を再開し、ログデータの確認も実施、2)7月末までに設備を測定値の書き換えができないシステムに変更する対応策を講じた。また、原因究明を中心とした調査を西村あさひ法律事務所に依頼。その結果を踏まえ、再発防止策を講じるとしている。

(清水律子)

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