三越伊勢丹「クールジャパン」のあきれた実態 官民ファンドが出資する海外店での迷走劇

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この関係筋によると、CJ機構側は昨年9月ごろから再建案の策定を三越伊勢丹HDに何度も打診した。だが「会議を開こう」とメールを送信してもまともに返事が来ない。話し合いに応じる姿勢が一向に見られなかった。

今年1月にようやく再建に向けた会議が開かれた。ところが、翌2月に突然、三越伊勢丹HDが「(共同での)事業をやめたい」と切り出した。さらにCJ機構が保有する株式の買い取りについて、「無償での譲渡を要求した」(関係筋)という。

再び行き詰まったが、経緯を知った大物議員が介入したことで、「出資額(9.7億円)の半値で買い取る」との条件で落ち着いたようだ(取得額は未公表)。

前社長の施策をことごとく否定

不自然な動きの背景には、三越伊勢丹HDの経営体制の急変がある。

大西洋前社長の電撃解任を受けて、2017年4月に杉江俊彦社長が就任した。大西前社長は発信力のある経営者だったが、業績は低迷。後任の杉江社長は社内で数値管理の徹底を打ち出し、「大西前社長が導入した施策を、ことごとくやめている印象がある」(別の百貨店関係者)。

大西前社長は国内店舗で日本製品を積極的に発信したり、外務省が英ロンドンなどに設置する「ジャパンハウス」への出店を検討したりするなど、クールジャパンの取り組みに熱心だった。ジャパンストアも完全な“大西案件”。異例の枠組み見直しには、尾を引く三越伊勢丹HDの内紛が背景にあったようだ。

ジャパンストアは間接照明を取り入れた豪華な内装で、ファッション、ライフスタイル、カルチャーとテーマによって編集された売り場が特徴だ。

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