ボルボが進出63年目で建てた米国工場の正体 現地生産地をサウスカロライナに決めたワケ
6月19日、米国サウスカロライナ州チャールストン空港に降り立った。
出迎えに来た、ボルボの大型SUV「XC90」のドライバーは地元出身だという。この地では2年前の夏、メルセデスベンツが新工場の起工式を行った。そして今度はボルボだ。「雇用は増えたが、朝晩の渋滞も激しくなったね」。ドライバーは過去数年間の町の移り変わりを肌感覚で話した。
チャールストンは18世紀に港湾都市として栄えた。その名残りがあるダウンタウンの雰囲気は居心地が良く、アメリカ有数の観光地としての人気が高い。
ボルボにとってアメリカ初となる製造工場
翌日、地元アメリカを含め世界各地から集まった300人近いメディアが数台のバスに分乗して、フリーウエイ26号線を内陸部方面へ約1時間。森を切り開いた目新しい工場団地の中に、ボルボにとってアメリカ初となる製造工場の姿が見えた。
気温は摂氏35度近くまで上がり、大西洋が近いために湿気も高い。バスを降りて式典会場入ると、正面奥の壇上に4ドアセダンの新型ボルボ「S60」がベールを纏っている。そこに続くような花道を設定され、その両サイドには「XC90」「XC60」「V60」「V90」「S90」などボルボの各モデルがズラリと並んでいた。
式典には、サウスカロライナ州知事、在米スウェーデン大使、そして日本でも知名度が高い国連大使で前サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリー氏も列席した。あいさつに立った、ボルボのホーカン・サミュエルソンCEOは「ここは、われわれが世界市場でさらに成長するために重要な投資先だ」と1200億円に及ぶ資金導入の有効性を改めて示した。
ボルボの製造拠点は、スウェーデンのヨーテボリ本社工場とベルギーのゲント工場、そして急伸する中国市場にも、ここチャールストン工場は世界7番目となる。
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