トマトバブルはじけて、カゴメが足踏み 下期以降はナポリタンブームで巻き返しも
トマトジュースはカゴメにとって、定番中の定番商品。それだけに、開発費や宣伝広告費など初期コストの掛かりがちな新商品に比べれば採算もよく、上半期にトマトジュースの売り上げが反落したことによる利益への影響は小さくなかったと見られる。
カゴメの上半期の売上高1037億円のうち、売り上げ全体の5割前後を占めるのがトマトジュースを含む日本国内での飲料事業。飲料事業の内訳を見ると、「野菜生活」シリーズや「野菜一日これ一本」シリーズなど野菜ミックスジュースのカテゴリーが7割前後と大きいが、トマトジュースも1割前後を占める。
今上半期の飲料事業では、「野菜生活」が「沖縄シークヮーサーミックス」「北海道ハスカップミックス」など地産全消(地域の産物を全国で消費してもらう)を掲げた季節限定商品の牽引で順調に伸びたものの、トマトジュースはPETボトルや缶入りを中心に反落した。「今年の夏は、猛暑で他の清涼飲料などに食われたのかもしれない」と西社長は説明する。
上半期は、他にも飲料事業で季節限定の新商品が増えたことで初期費用がかかったこと、国内の飲料・食品事業をテコ入れするために、販売促進費が当初の想定より拡大したことも、営業利益を圧迫する結果となった。
下半期は食品事業でも新商品を連打
昨年ほどの「バブル」は期待にしにくいとはいえ、トマトの需要拡大に取り組むカゴメの姿勢に変わりはない。トマトジュースについても、上半期はPETボトルや缶入りの定番品は反落したものの、今夏の新物トマトを使った「国産トマトとれたてストレート」はチルド商品を中心に好評を博している。
飲料の消費が伸びる上半期に比べて、下半期(13年10月~14年3月)は、食品事業でトマト関連の新商品が目立つ。瓶入りパスタソース「アンナマンマ」シリーズでは「トマト&チーズ」など3品目を追加。「トマトのおかず」シリーズでも「なす豚肉みそ」など4品目を新発売した。
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