食肉機械の「なんつね」、トップシェアの秘密 「町のお肉屋さんが儲かるビジネス」を意識

✎ 1〜 ✎ 68 ✎ 69 ✎ 70 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
食肉機械メーカー「なんつね」のソーセージとベーコンはひと味違う(写真:なんつね)

「なんつね」とは変わった社名ですが、社長の名前が「南常之」ときくとその由来が想像できます。「うちは代々、苗字とあわせて名前に“南常”が入るんですよ」と南常之社長。1929年の創業以来、大阪府藤井寺市に本社工場を持ち、食肉機械では全国45%以上のシェアを誇るトップメーカーです。

この連載の一覧はこちら

南社長は、創業者の曽祖父である南常治郎氏から数えて4代目。先代の父親が2010年に58歳で急逝したため、30歳代前半で会社を引き継ぎました。

「自分自身、どういう会社にしたいのか考えました。80年以上続いている会社は潰せない。企業は社会の役に立っているから生きていける。お客さんの利益に貢献することで私たちも進んでいこう、と思いました」

業務用スライサーのトップメーカー

単に機械を製造販売するだけでなく、顧客の利益を創造する、という視点を重視しました。その結果現在では、自らハム、ソーセージを作って売る、という物販店をオープンするまでになりました。食肉機械メーカーが自ら作るハム、ソーセージはひと味違う、と評判になっています。

肉のスライスメーカーが、なぜ自らオリジナルのハム、ソーセージを提供するようになったのか。次節でその経緯をたどります。まずは会社の成り立ちから概観していきます。

なんつねは、お肉をスライスする業務用スライサーのトップメーカーです。ステーキ屋やとんかつ屋で定量の肉を切断するのに使う機械です。肉の形状をスキャンして何グラムになるかを自動的に判別してスライスします。以前は職人の目で微調整していましたが、4~5年前から3Dスキャンを駆使した技術を発達させました。

次ページ曽祖父が始めた刃物業
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事