自販機横「無料レンタル傘」の秀逸な仕組み ダイドーが展開、傘は電車内の忘れ物再利用

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「きっかけは、弊社の営業スタッフの提案でした。いつもご利用いただいているお客様や地域の方々に少しでも喜んでいただけないか、といつも自販機を回っているスタッフが思いついたもの。もちろん、盗られてそのままになる可能性もあるので、まずは大阪で試験的にスタートして、思った以上にいい結果が得られたのでエリアを拡大してきた次第です」

気になる“返却率”だが、明確なデータがあるわけではないが7割ほどの傘が戻ってきているとか。

自販機の側面に設置されたレンタルアンブレラのボックス(筆者撮影)

「設置場所にも工夫をしています。そこに必ずまた戻ってくるような人が多い場所、ですね。たとえばオフィスビルの中にある自販機ですとか、住宅街の駅前ですとか。帰宅途中に最寄り駅で降りたら雨が降っていた、なんてときにレンタルアンブレラを利用して、次の日の出勤途中に返す、みたいな使い方を想定しているわけです。また、最近ではコインパーキングに設置するケースも増えています。クルマから降りて用事を済ませたらまた駐車場に戻ってくるので」

なるほど、設置場所の工夫ひとつで返却率をある程度高めることができるというわけだ。ちなみに、たとえば新宿歌舞伎町や大阪・ミナミの繁華街のような場所には設置していないとか。当初ミナミに設置していたところ、「返却率がかなり低かった」そうだ。

傘は「電車の忘れ物」を利用

レンタルアンブレラの傘は電車内の忘れ物も再利用している(筆者撮影)

そして、このレンタルアンブレラにはもうひとつの特徴がある。それは「電車の忘れ物傘」を再利用しているという点だ。現在、忘れ物傘を提供しているのはJR東日本・西日本、近鉄、名鉄、西武、東急、東武の7社。この各社で発生した忘れ物の傘を、レンタルアンブレラBOXに格納する貸出用傘として活用しているのだ。

「こちらから積極的に傘の提供をお願いしたわけではなく、構内に自販機を置かせていただいたり、飲料を提供したりしている関係でつながりがあることから、それを通じてお話しさせていただいている程度です。でも、どの事業者さんも忘れ物の傘の扱いには苦慮されているようで、快くご協力いただいています」

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