ななつ星も乗り入れる「門司港駅」の潜在力 かつての「九州の玄関口」は観光客で大盛況

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駅の正面に出れば左に関門海峡、向かいは門司郵船ビルと旧門司三井倶楽部。近代建築初期のビルと洋館が目に飛び込んでくる。その先に進めば、門司港レトロの中心部たる「海峡プラザ」の入江が広がる。

車両基地をはさんで山側に所在する九州鉄道記念館(撮影:久保田 敦)

一方、右へ折れれば角はかつての九州の鉄道の中枢、国鉄九州総局と門司鉄道管理局、その後はJR九州の本社も入っていた旧三井物産門司支店ビル。さらに山側へ進むと九州鉄道記念館の入口に通じる。朝、車両基地内の編成が出払った状態ならば、ホームからでもクハ481やクハネ581の色彩が目に入る。

記念館の入口付近には、門司港レトロ観光列車「潮風号」の乗り場もある。北九州市が施設を保有して平成筑豊鉄道が運行する観光鉄道で、路線名はネーミングライツにより「北九州銀行レトロライン」と称する。国鉄時代、各駅の貨車入換に見た覚えがある貨車移動機が、貨車改造の2軸客車2両をサンドイッチにして門司港駅から関門海峡大橋をくぐった先の和布刈方面に延びている。

社員総出の花火大会

『鉄道ジャーナル』8月号(6月21日発売)。特集は「駅をめぐる」。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

3~11月の間、春休みや夏休み期間を除けば土休日のみ運行する。平日の訪問とあって対面を諦めていたのだが、学校の遠足の時期のため団体臨時列車に遭遇することができた。レトロの街から船溜りのほとりをたどり、トンネルを経て関門海峡めかり駅へ。海峡を見守る和布刈神社や、関門人道トンネルへのアクセスに利用することもできる。

観光客でにぎわう門司港レトロの街であったが、最高潮に達するのは今年は8月13日に開催される関門海峡花火大会とのこと。1万3000発が夜空を彩り、下関側と合わせて120万人を動員する。その日は社員総出で、本社からの応援を加える。この話は門司や小倉駅でも話題に上った。門司港駅では改札内外を分ける仕切りも撤去して改札の間口を数倍に拡大し、なんとキヨスクも店舗ごと移動してしまうのだと言う。臨時列車をピストン運転で頻発させるので、その数日前から車両の運用変更が重ねられ、運転・営業ともまさに臨戦態勢が敷かれる。

鉄道ジャーナル編集部

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車両を中心とする伝統的な鉄道趣味の分野を基本にしながら、鉄道のシステム、輸送の実態、その将来像まで、幅広く目を向ける総合的な鉄道情報誌。創刊は1967年。

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