映画「ウインド・リバー」を作った本当の狙い サスペンス形式で「アメリカの闇」を描き出す

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7月27日公開予定の『ウインド・リバー』。ネーティブアメリカンの保留地が抱えるアメリカの闇を描き出したクライムサスペンス映画だ(東洋経済オンライン読者向けプレミアム試写会への応募はこちら)©2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

数ある失踪者の統計にネーティブアメリカンの女性のデータは存在しない。実際の失踪者の人数は不明である――。

7月12日(木)にプレミアム独占試写会を開催します(上記バナーをクリックすると応募画面にジャンプします)

ネーティブアメリカンの保留地が抱えるアメリカの闇を描き出したクライム(犯罪)サスペンス映画『ウインド・リバー』(7月27日全国公開予定)には、こういったショッキングなテロップが登場する。出演者はジェレミー・レナーとエリザベス・オルセン。「大ヒットシリーズ『アベンジャーズ』に登場する弓矢の使い手ホークアイと、心理操作を行う超人スカーレット・ウィッチが共演」という紹介の仕方もできそうだが、ここで描かれている社会背景はズシリと重い現実を突きつける。

本作の舞台はアメリカ中西部にあるワイオミング州のネーティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。深い雪に閉ざされた山岳地帯で、ネーティブアメリカンの少女の死体が見つかるところから物語は始まる。

「ネーティブアメリカンの保留地」が舞台

第一発見者となった野生生物局の白人ハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、薄着で裸足、かつ血を吐いた状態で凍りついたその少女が、娘エミリーの親友ナタリー(ケルシー・アスビル)であることを知り、愕然とする。そんな少女の無残な姿に心を痛めたコリーは、新米の女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)の捜査に協力するというストーリーだ。

「ネーティブアメリカンの保留地」とは、ネーティブアメリカンが住む土地のことだが、アメリカのジャクソン大統領が1830年に制定した「インディアン強制移住法」で、先住民であるネーティブアメリカンを強制移住させたことに端を発する。

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