ディズニーシー大拡張、2500億円投資の勝算 「アナ雪」など題材にした新エリアが開業へ
収益面での期待も大きい。中でも注目されるのが、新エリアの中に新設されるディズニーホテルだ。今回、OLCは既存の平面駐車場スペースの一部を立体化することなどで約14万平方メートルの敷地を確保。ただ、近隣でさらなる拡張の余地は小さく、限られた敷地でいかに高い収益につながる設備投資をするかが大きな課題となっている。
幻となった「第3のパーク」
その点、パーク内に泊まれるというほかにはない価値を訴求できる高級ホテルは顧客満足度が高く、新アトラクションによる集客増効果や物販、飲食の拡大とは別に、大きな収益貢献が期待できる。実際、TDSの敷地内にある東京ディズニーシー・ホテルミラコスタは、「(パーク外にある)ディズニーアンバサダーホテルより5%以上も年間稼働率が高い」(加賀見会長)。
発表資料によると、475室ある新ホテルの中には「東京ディズニーリゾートで最上級の宿泊体験を提供するラグジュアリータイプの客室」も検討されており、海外の富裕層などのニーズにも対応できる計画だ。客室数500室のミラコスタの年間売上高が190億円弱あることを踏まえると、新ホテルも同等かそれ以上の売り上げが見込めそうだ。
振り返ると、これまでTDL、TDSではない第3のテーマパークの新設も取りざたされてきたほか、TDLを拡張する選択肢もあったはず。その中でOLCはなぜTDSの拡張を決断したのか。
加賀見会長は、「第3のテーマパークという意見もあったことは事実。ただ、一時憶測があった『空』をテーマとしたパークは技術的に難しく、新しいパークを造るより満足感が低下しつつある既存パークを充実させたほうがいいという結論になった。TDLとTDSはほぼ同じ面積だが、TDSのほうが海面のスペースがあって敷地が狭い。混雑感を解消し満足度向上につなげるため拡張を決めた」と語る。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら