JAL、行政訴訟も選択肢に 羽田発着枠の傾斜配分に異議

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10月24日、JALは羽田空港の国際線発着枠をANAに傾斜配分した判断に対し、国交省からの回答が不十分だった場合、行政訴訟も選択肢との認識を示した。写真は羽田から離陸するJAL機。昨年9月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 24日 ロイター] - 日本航空(JAL)<9201.T>の植木義晴社長は、羽田空港の国際線発着枠をANAホールディングス(ANA)<9202.T>に傾斜配分した判断に対し、国土交通省に是正と説明を求めている問題で、国交省からの回答が不十分だった場合、行政訴訟も選択肢の一つになるとの認識を示した。24日、ロイターとのインタビューで語った。

国交省は今月2日、来春増加する羽田空港の国際線発着枠のうち、国内航空会社向けの16枠について、ANAに11枠、JALに5枠を配分すると決定。根拠として、JALの再建に対する考え方をまとめた昨年8月の文書でJALの新規路線の開設は抑制的に判断することになっていた、と説明した。

JALは4日、この結果を不服とし、国交省に対して合理的な説明と内容の是正を申し入れた。植木社長は同日の会見で、国交省からの回答によっては「次のステップを考えざるを得ないケースもある」としつつ、具体的な内容については明言を避けていた。

今回、植木社長は「結果を求めて何らかのアクションを起こす時もあるし、結果は別に、主張することを主張しないといけない時もある」と説明。国交省からの回答が不十分だった場合に行政訴訟を選択肢とするかについては「そういう可能性も次のステップの一つに含まれていると考えていい」と語った。

植木社長は、国交省との議論で「新規路線とは、どの空港の、どの時間帯に適用されるのか。抑制的とはなにを意味するのか、こういったところを明確にしていきたい」と述べた。本来、来年4月以降のダイヤを計画する時期だが、そうしたところが明確でないために、弊害も出始めているという。

JALは今月7日、欧州の航空機大手エアバスから初めて旅客機を調達すると発表した。導入するのは大型機のA350型機31機で、2019年から6年程度かけて順次導入を進める。

植木社長は、エアバス機を導入した理由について、米ボーイングから購入した787型機にトラブルが発生したことは「まったく関係ない」とあらためて説明。検討していたボーイングの飛行機がエアバスの飛行機に比べて開発が遅れていたことが判断材料の一つになったと述べた。

次の機材購入については、ボーイング737型機の後継機を選択する必要があるとの認識を示した。植木社長は「更新時期にきたボーイング737型機があるのは事実」と指摘。ボーイング、エアバス両社の飛行機が検討対象になると述べた。JALは現在、ボーイング737型機を30機保有している。

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