新潟知事選勝利でも安倍政権の前途は多難だ 「総裁3選」までは、なおも高いハードルがある
また、石原伸晃元幹事長も石原派会合で、森友問題での公文書改ざんについて財務省がまとめた調査結果や処分について「街を歩いて、『なるほど』という人はほとんどいない」と麻生太郎財務相の続投も含めた政府の対応に疑問を呈した。
加計氏や昭恵氏の「公式の説明」を求める声拡大
もちろん首相にとっても「もり・かけ疑惑」が頭痛の種であることは間違いない。野党が証人喚問を求め続ける加計氏や首相夫人の昭恵氏はまさに「首相の身内」だからだ。加計学園問題をめぐっては愛媛県や今治市が公表した内部文書に、2015年春に加計氏が首相と面談した際に獣医学部新設構想を説明し、首相が「いいね」と評価した、とのやりとりが明記されていた。
国会での首相答弁が虚偽となりかねない内容だが、加計学園の渡辺良人事務局長は5月26日にメディア各社にファクスで「実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出した」と面会発言が虚偽だったと釈明した。これに対し、中村時広愛媛県知事が「偽りなら謝罪、説明し、責任者が記者会見するのが世の中の常識」と批判すると、同31日に同県庁を訪れ、「県と市に誤った情報を与えた」と謝罪したが真相はまさに「藪の中」だ。
しかし、渡辺氏の「ウソ説明」が事実なら、加計学園側が獣医学部新設で首相の名前を利用したことになり、「首相が抗議しないのはおかしい」(立憲民主党)との声が噴出したのは当然だ。しかし、首相は国会などで「コメントしない」と逃げ続けている。このため、自民党内でも加計氏が公式の場で説明しないといつまでも決着がつかない、との声が拡大しているわけだ。
一方、昭恵氏についても与党内に「記者会見など何らかの形で説明すべきだ」との声が強まるが、首相は「妻のことは全部国会で説明している」と昭恵氏を表舞台に出すことに難色を示している。ただ、首相が対応を変えない限り、「説明に納得できない」とする7割以上の国民の疑惑はいつまでも解消されず、首相の3選が実現しても、野党やメディアの追及は続くことになる。
これに関して、小泉進次郎氏は6日の党会合で、「やっぱりおかしいじゃないか。だったらやっぱり(国会に)特別委とかを立ち上げていただいて(解明すべきだ)」と述べ、国会に疑惑解明のための特別委員会設置を主張した。小泉氏は「どう考えたって愛媛県にうそをついているのはおかしい。むしろ与党から委員会を設置してくれということが真の行政監視だ」と力説した。
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