新潟知事選勝利でも安倍政権の前途は多難だ

「総裁3選」までは、なおも高いハードルがある

自民党は、2016年夏の参院選、同年秋の県知事選、そして昨秋の衆院選での「新潟決戦」では3連敗を喫していただけに、同党内には「野党が強い新潟でも、安倍政権が信任された」(閣僚経験者)との見方が広がる。

野党側は僅差の敗北に「安倍政権が『不祥事のみそぎが済んだ』などとい言うのはとんでもない」(立憲民主・長妻昭代表代行)とけん制するが、知事選結果を受けて会期末攻防も与党が主導権を握る可能性が強く、会期延長などで重要法案の処理が進めば、安倍1強政権継続への後押しにもなりそうだ。

一方、国会で「もり・かけ」疑惑などで首相を厳しく追及してきた野党側にとって、「統一候補」の敗北は痛手で、来年春の統一地方選と夏の参院選での野党共闘体制づくりへの影響も避けられない。

志位和夫共産党委員長は「(主要野党が)市民団体とともに心一つに戦ったことは、今後につながる大きな財産となる」と5野党共闘を評価し、小沢一郎自由党代表も「惜敗は残念だが、暴走を続ける安倍政権と闘う」と安倍政権打倒への決意を強調した。だが、保守色の濃い国民民主党には「数合わせの共闘では国民の共感を得られない」(幹部)などと複雑な心境を吐露する向きもある。

「厳しい状況は変わらない」との声

知事選勝利を受けて自民党の二階俊博幹事長は10日深夜、「おごることなく政権運営に全力を尽くす」と強調する一方、「(首相にとって)総裁選によい風が吹いてきたと判断して間違いない」と3選ムードも加速するとの認識を示した。花角氏は二階氏の運輸相時代の秘書官でもあり、今後の政権運営での二階氏の指導力も強まりそうだ。

ただ、自民内では「逆風の強くなるのを避けられただけで、厳しい状況は変わらない」(岸田派幹部)との声も多く、組織を挙げて集票活動を展開した公明党も「政権が信任されたというものではない」(幹部)と手放しで勝利を喜ぶ空気はない。

会期末を目前に控えて、与党が態勢の引き締めを図るのは、やはり森友・加計学園問題などでの真相解明が進まない、いら立ちと不安があるからだ。二階幹事長は新潟県知事選への影響について10日、「本当にじゃまっ気なことであったと思う。関係者は、大いに反省してもらいたい」と苦言を呈した。また、小泉進次郎筆頭副幹事長も同日の三沢市内での講演で、「1つのことにおかしいと言えなくなると、だんだん口をつぐむことに慣れてしまう。そうなったら終わりだ」と疑惑隠しへの党内批判が封じ込められると、最終的には自民党政権の崩壊につながるとの危機感を強調した。

「もり・かけ疑惑」については7日の自民党各派会合でも、財務省など政府の対応への不信や不満が相次いだ。石破茂元幹事長は石破派の会合で、「議論すべきことはいっぱいあるのに、加計・森友問題で進捗(しんちょく)しない」といら立ちを示した上で、加計孝太郎・加計学園理事長について、「(首相の親友の)加計さんとしてふさわしいことをやって頂きたい」と述べ、公式の場で獣医学部新設について説明責任を果たすよう求めた。

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