鉄道と組めば、「神戸空港」は抜群に便利だ

関空や伊丹より知名度低いが潜在力は高い

所要時間だけ見ると、神戸空港は岡山空港に勝ち目がないように見える。しかし、岡山空港は神戸空港と比べると国内線が充実していない。国内線における岡山空港の就航地が3都市(東京、札幌、沖縄)に対し、神戸空港の就航地は7都市(東京、札幌、仙台、茨城、長崎、鹿児島、沖縄)だ。もし、岡山県内から仙台、茨城、長崎、鹿児島へ行く場合は神戸空港の利用を検討するといいだろう。特に九州方面へ行く場合は、早めに航空券を予約しておけば、新幹線よりも安く済むことがある。なお、2018年5月現在、神戸空港から中国地方へ向かうリムジンバスは運行されていない。

欠点はポートライナーの混雑とバスの本数の少なさ

今までアクセス面から見た神戸空港の利点を取り上げたが、課題も存在する。最初に指摘したい課題はポートライナーの混雑だ。ポートライナーは三宮と神戸空港を結ぶだけでなく、ポートアイランドとのアクセスも担っている。ポートアイランドには住居や企業だけでなく、理化学研究所や神戸市立医療センター中央市民病院などの医療・研究施設、神戸学院大学をはじめとする教育施設が存在する。また、数々のイベントが開催されるワールド記念ホールや神戸国際展示場もポートアイランドにある。ポートアイランドに向かう多くの人は三宮からポートライナーに乗るため、朝ラッシュ時を中心に車内は大混雑になる。

ポートアイランドと神戸空港を結ぶポートライナーも便利(写真: ISO8000 / PIXTA)

ポートライナーが採用している新交通システムならではの欠点もある。ポートライナーは日本初の実用的な新交通システムとして1981年に開業した。新交通システムは本数を容易に増やせるというメリットはあるが、車両が小さいというデメリットが存在する。現在活躍しているポートライナー2000系の定員は1編成(6両)あたり300名だ。

筆者は平日朝8時台の三宮発神戸空港行きに乗車した。乗車時にはすでにどの車両も満員で、次の列車を待つ乗客の姿も見られた。車内に入ると、肩が触れ合い何とか折り畳み新聞が読める状態だった。大型のスーツケースを持ち込むには大変だろう。途中、みなとじま駅と医療センター駅で大半の乗客が降り、神戸空港に着く頃には着席できた。なお、ワールド記念ホールでイベントが行われる日は市民広場駅まで同様の混雑が見られる。

これに対し、神戸市はポートライナーの1編成あたりの両数を6両から8両に増強することを検討している。ただし、8両化にはホームの延長も必要になる。8両化が実現するにはまだ時間がかかりそうだ。

2つ目の課題は神戸空港―新神戸―地下鉄三宮間のバスの本数が少ないことだ。このバスは神姫バスによって今年4月に開設された。しかし、本数は新神戸駅→地下鉄三宮→神戸空港が4本、神戸空港→新神戸駅→地下鉄三宮は5本にとどまる。神姫バスによると「バスの増発には神戸市との協議が必要なため、現時点で増発の予定はない」とのこと。利用状況もあるだろうが、神戸空港のポテンシャルを生かすためにも増便を期待する。

神戸空港はアクセス面から見てもポテンシャルの高い空港だといえるが、課題も存在する。課題を克服して神戸空港が利便性の高い日本を代表する地方空港になることを一神戸市民として願っている。

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