競合の可愛い系の軽乗用セダンには、スズキ「ラパン」がある。もともとミラ ココア時代から宿命のライバル関係にあったものの、ラパンが2015年に現行3代目が登場したのに対し、ミラ ココアは2009年デビューのまま2018年に生産終了。自動ブレーキなどの安全運転支援デバイスの積極採用は行われなかった。その面ではラパンに大きく水を開けられていた。
価格面でもラパンと真っ向勝負
一方、ミラ トコットは現行ミラ イースがベースとなるので、衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」など、ダイハツの最新安全技術をはじめとする先進装備が採用されるはずだ。この面でラパンとは互角の勝負が可能となった。ラパンの車両本体価格は107万7840円~149万2560円なので、まさにミラ トコットと真っ向勝負だ。
可愛い系の軽自動車は女性ユーザーを中心として一定の需要がある。軽自動車ナンバーワンの「N-BOX」を擁するホンダも、こと可愛い系モデルについては苦手としているようでもあるので、ダイハツはミラ トコットのデビューによってホンダの空隙を縫い、スズキのラパンを好むようなユーザーにも訴求する戦略だろう。
ただ、繰り返すが“パグ犬をイメージした”として、車体からダイハツの“Dエンブレム”すらも外して可愛い系モデルに徹したミラ ココアに比べると、ミラ トコットはそこまで踏み込まずに、少々可愛い系からは距離を置いた外観になる、との情報も入っている。ミラ イースが先代モデルより実用車色の濃い外観となっているので、ミラ イースの上級派生車種という位置付けも狙っているのかもしれない。
現在ダイハツ軽自動車のなかで、ヒットモデルとなっている「ムーヴキャンバス」のメインターゲットは女性だが、両親との同居を想定し、両親と共有できるようなクルマをめざしたとされており、やはり全面的に可愛い系モデルとはなっていない。
軽自動車が新車販売全体の3割強に迫っている現状では、単に軽自動車は女性だけでなく、リタイア世代の所有も目立ってきているし、もちろん若い男性がメインで乗っていることも珍しくない。キャンバスもメインターゲットの女性だけでなく、リタイア層など幅広い支持を受けてヒットモデルとなっている。ミラ ココアがデビューした約10年前より、確実に軽自動車を取り巻く環境が変化していることをミラ トコットが語ってくれるかもしれない。
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