あのマンダムに「オヤジ世代」も食いつくワケ 8期連続増収を支える新成長分野とは?

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そこでルシードでは2014年から同シリーズを展開。頭からつま先までニオイを制御するため、シャンプーやボディソープ、ボディペーパーなどラインナップを続々と強化している。直近では脇に直接塗るロールオンタイプのスティックを投入。原材料には汗の吸収力が高い活性炭を使用。活性炭は白色化されているので、地肌に塗っても黒くなることはない。

アジアのオヤジも取り込む

ここ最近の男性化粧品市場のトレンドについて、西村健・常務執行役員は「市場自体はここ数年横ばいが続く。この先の人口動態を考えると、40代以上向けはマーケットチャンスがあると感じている」と口にする。今後も中高年層のトレンドを踏まえて商品の投入を図っていく予定だという。

マンダムの主戦場は国内だけにとどまらない。実は同社の売り上げは国内と海外の比率が6対4となっており、海外の比率は年々高まってきている。現在、海外事業の大半を占めているのがインドネシアだ。マンダムは競合他社に先駆け、1969年に現地法人を設立。ギャツビーでヘアスタイリング剤などを展開している。

インドネシアで流行している髪型「バーバースタイル」。ヘルメットをかぶっても髪型がくずれない特徴を持つ(写真:マンダム)

インドネシアで人気が高い理由には特有の文化が挙げられる。同国の主要交通手段はバイク。ヘルメットをかぶっても髪型が崩れないよう、しっかり整髪のできるヘアスタイリング剤のニーズがあった。そこでウケたのが、マンダムから発売した「ウォーターグロス」と呼ばれる整髪剤だった。

インドネシアは所得格差が激しいため売り方も工夫している。インドネシアの街中でよく見掛けるのは、食品から日用品まで取りそろえる個人商店。そこでヘアスタイリング剤を1回分の小袋ごとに分けて販売している。

他方、マンダムの重要市場である東南アジア諸国にも徐々に高齢化の波が押し寄せる。西村社長は「海外でも日本と同じような切り口でアンチエイジングというわけにはいかない。地元の人々はもはや老化を受け入れてしまっているとの印象を持っている」と述べながらも、「市場は必ずある。少子高齢化しているのだからマーケットは大きい」と期待する。

国内市場も、少子高齢化で若者世代が減る中、新たな市場として期待できるのが中高年世代。国内外で若者世代からオヤジ世代のマンダムへ脱皮することはできるか。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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