「会場は、地元で法事や食事会に使われる料理店の2階の宴会場を貸し切って行われました。学年全体での会だったのですが、約200人中約100人が出席していて、先生たちもたくさん来ていました」
記憶からこぼれおちていた、12歳当時の思い出は、あっという間によみがえる。そして、当時のスクールカーストが瞬時に再現されたという。
「ボスキャラだった女の子は、オバサンになった今でもハキハキしていてかわいく、元女の子達をあっという間に子分にしていました。あとは、勉強ができない子同士が結婚して地元で居酒屋を経営し、そこそこ成功させていたり、いじめっ子だった男の子が内装会社を立ち上げて、都内のマンションのクロス張替えを一気に引き受けているなど、“あ~あるある”という感じ」
驚いたのは、地元に残っている同級生の多さだった。
「私は久しぶりで浦島太郎状態なのに、周囲の女子たちは、子どもの話をしたり、旦那さんの愚痴を言って盛り上がっていたんです。きっと地元を出ずに過ごしてきたんだな……と」
真知子さんに声をかけてきたある男性
疎外感を覚える真知子さんに声をかけてきたのが、ある同級生の男性だった。ポロシャツにチノパンという軽装で、全体的に清潔感があったという。余談だが、筆者がインタビューした多くの不倫している女性が好む男性のファッションが、襟付のシンプルなトップスにチノパンというスタイリングだ。
「彼は地元の進学高校に進み、現役で日本大学に進学。10年間、住宅メーカーで働いた後、実家の事業を継いだと言っていました。私は同級生の誰とも話がかみ合わず、出席したことを後悔していた矢先に、彼が話しかけてくれたことがうれしかった。驚いたことに、それをきっかけに、多くの男子が私のところに群がり始めたのです」
真知子さんは、小学生のときに学校一の美少女として有名だったという。当時は体型もほっそりしており、色白で黒髪で物静か。憧れの存在として、男子からの人気はナンバーワンだったという。
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