訪米した北朝鮮のキーマン、金英哲氏の正体 かつて金正日氏のボディーガードだった
金英哲氏はかつて北朝鮮軍の諜報機関である偵察総局の総局長を務め、同国諜報活動コミュニティーの幹部として約30年のキャリアをもつ。
米韓両国は、北朝鮮の核・ミサイル開発に関与したとして、2010年と16年に同氏を制裁対象に指定した。そのため、訪米にあたり制裁の適用除外措置が取られたとみられる。
また同氏は、偵察総局長在職中の2010年に起きた、韓国海軍哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃事件で主導的な役割を果たしたと、韓国政府によって断定されている。このほか米情報機関は、2014年に起きたソニー・ピクチャーズに対するサイバー攻撃事件にも同氏が関与しているとみている。
北朝鮮はこれら事件について、関与を一切否定している。
金正日氏のボディーガード
若き日の金英哲氏は、南北朝鮮を分断する非武装地帯を警備する民警部隊に所属していた。
また「ノースコリア・リーダーシップ・ウォッチ」によれば、金正恩氏の父・正日氏が最高権力者であったころ、ボディーガードとして仕えていたという。
正恩氏が父の後を継いだ際は権力の基盤固めに尽力し、公式訪問時には正恩氏に影のように付いて回る英哲氏の姿が確認されている。
英哲氏の性格について「ノースコリア・リーダーシップ・ウォッチ」は、辛らつで目上の相手でもあまり敬意を払わず、一緒に働くのが難しいタイプだと評している。
(Doina Chiacu 翻訳:新倉由久 編集:伊藤典子)
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